「毎年届く親戚からのお歳暮、ありがたいけれど、お返しを選ぶのが年末の負担になっている」「自分たちも年金暮らしになって、そろそろ贈り合いをやめたい」。そんな気持ちを抱えながら、言い出すと冷たいと思われそうで、何年も続けている方は少なくありません。
先にお伝えすると、お歳暮をやめることそのものは、贈答マナーの解説でも失礼とはされていません。大切なのは「やめ方」です。いきなり贈らなくなると、相手は体調を心配したり、何か気に障ったのかと不安になったりします。反対に、感謝を伝えたうえで理由を添え、1〜3年かけて形を変えていけば、親戚づきあいそのものはむしろ気楽に続けられます。
この記事では、親戚とのお歳暮をやめたいときに確認しておきたいこと、段階的にやめる手順、誰がいつ切り出すか、電話・お礼状で使える伝え方の文例、やめた後の挨拶の続け方まで、百貨店やギフト専門店の公開しているマナー解説をもとに整理しました。
・親戚とのお歳暮をやめても関係がこじれにくい理由と前提
・「1年目→2年目→3年目」で減らしていく段階的なやめ方
・切り出す人・時期・手段の選び方と、そのまま使える文例
・やめた後も届いたときの対応と、代わりに続けたい挨拶
お歳暮やめたい親戚がいるのは珍しくない|やめても関係が壊れにくい理由

そもそもお歳暮は「一年のお礼」で、義務ではない
お歳暮は、年の暮れに一年お世話になった感謝を伝える贈答の習慣です。法律や決まりで定められたものではなく、あくまで気持ちを形にする手段の一つにすぎません。そのため、贈り合いを続けるかどうかは、双方の事情に合わせて見直してよいものとされています。
理由として大きいのは、お歳暮の役割が時代とともに変わってきたことです。かつては遠方の親戚と顔を合わせる機会が少なく、年に一度の品物のやり取りが「元気にしています」の便りを兼ねていました。いまは電話やメッセージで近況を知らせ合える家庭も多く、品物だけが形式として残っているケースが目立ちます。
たとえば、結婚を機に始まった親同士のやり取りや、親の代から続く叔父・叔母とのお歳暮は、始めたきっかけが薄れていることがよくあります。そうした場合は「習慣を見直す」という前向きな話として切り出しやすいでしょう。
注意したいのは、「義務ではない」ことを理由に、相談なしに一方的にやめてしまうことです。相手にとっては楽しみにしていた年中行事かもしれません。義務ではないからこそ、やめるときの伝え方に気持ちを込める必要があります。
お歳暮=年の暮れに、一年の感謝を込めて贈る品。「歳暮」は年の暮れを意味する言葉です。
暑中見舞い・寒中見舞い=季節の挨拶状。品物を伴わなくても送れるため、お中元・お歳暮をやめた後の「挨拶の受け皿」として使われます。
「負担に感じているのは自分だけ」とは限らない
親戚とのお歳暮を負担に感じているのは、多くの場合こちらだけではありません。お歳暮は贈られた側にもお礼状やお返しを考える手間が生じるため、双方が「向こうがやめないから続けている」状態になっていることがあります。
ギフト専門店のギフタが公開している実家同士のお歳暮の解説でも、子どもの結婚後に親同士が贈り合うのは「3年~5年までが目安」という意見が紹介されています。つまり、どこかで区切りをつけるのはごく自然な流れとして受け止められているということです。
こうした背景を知っておくと、切り出すときの気持ちが軽くなります。「相手を拒むお願い」ではなく「お互いの負担を減らす提案」として伝えればよいからです。特に、相手も高齢になっている、子ども世代に代替わりしている、といった変化がある家庭ほど、提案は受け入れられやすい傾向があります。
一方で、相手が「贈ること」自体を楽しみにしているタイプの場合もあります。その場合は完全にやめるより、品物をやめて手紙だけにする、帰省時の手土産に切り替えるなど、形を変える提案のほうが角が立ちにくいでしょう。
やめ方さえ丁寧なら、つきあいはむしろ長続きする
お歳暮をやめると関係が冷えるのでは、と心配する方は多いですが、ポイントは「品物」と「気持ちの伝達」を切り分けることです。品物のやり取りをやめても、年賀状や季節の挨拶状、電話での近況報告を続ければ、つきあいは途切れません。
シャディのお歳暮の断り方の解説でも、電話で辞退する際は、まずお礼を述べ、相手の近況を伺ったうえで辞退の理由を話し、これからも末永くお付き合いしたいと伝える流れが示されています。この「今後もよろしく」の一言が入るかどうかで、受け取る側の印象は大きく変わります。
親戚は、法事や冠婚葬祭で今後も顔を合わせる相手です。お歳暮の負担がなくなると、会ったときに「今年は何を返そう」と気をもむこともなくなり、純粋に近況を話せる関係に戻れる、という面もあります。
ただし、やめた後に挨拶まで途絶えてしまうと、「お歳暮と一緒に縁も切られた」と受け取られかねません。やめる年こそ、年賀状や寒中見舞いを丁寧に書く、と決めておくことをおすすめします。
やめる前に確かめたい3つのこと|お中元・相場・始まりのきっかけ
お中元も贈っているなら、先にお中元から手放す
親戚とお中元・お歳暮の両方をやり取りしている場合は、お中元から先にやめるのが一般的な順番です。楽天市場のお歳暮ガイドでは、「お中元を贈るならお歳暮も贈る」のが基本で、どちらか一方に絞るならお歳暮を残すのが望ましいとされています。お歳暮は一年の締めくくりの挨拶として、より重く見られているためです。
つまり、「お中元はやめてお歳暮だけ続ける」は自然に受け止められやすい一方、「お中元は続けてお歳暮だけやめる」は、相手に違和感を与えやすい組み合わせです。夏の贈り物が届いて冬に何も来なければ、何かあったのかと思われても仕方ありません。
お中元をやめた年は、代わりに暑中見舞いのはがきを出しておくと、「品物はやめたけれど気持ちは変わらない」という合図になります。これが次の段階への布石にもなります。
注意点として、お中元をやめる時点で「今後はお歳暮もいずれ」と一度に伝えるかどうかは、相手との距離感で判断してください。親しい相手なら最初にまとめて話したほうが誤解が少なく、形式的な関係なら段階的に変化を見せるほうが穏やかです。
いまいくら贈り合っているかを把握しておく
次に、現在の贈答額を確認します。相場を知っておくと、段階的に減らすときの目安が立てやすくなります。小田急百貨店のお歳暮解説では、友人や近所の方へは3,000~5,000円、特にお世話になった方へは5,000~10,000円が相場として示されています。ギフタの解説では、実家同士のお歳暮は3,000円~5,000円が相場で、特にお世話になった年は1万円ぐらいまでで検討してもよいとされています。
親戚間のお歳暮もおおむねこの範囲に収まる家庭が多いものの、関係性や地域、家ごとの慣習で差があります。相手から届く品の金額がこちらより明らかに高い場合は、減額より先に「そもそもつり合いが取れていない」ことが負担の原因かもしれません。
金額を把握したら、「2年目に下げる額」まで決めておくと、迷わず進められます。後で紹介する段階的なやめ方では、例年5,000円の品を贈っていたなら3,000円程度に下げる、という例が挙げられています。
ただし、相場はあくまで目安です。相場より高い品を贈り合ってきた家庭で急に大きく下げると、かえって目立ちます。下げ幅は相手が気づく程度にとどめ、極端な変化は避けるのが無難です。
| 項目 | 小田急百貨店の解説 | ギフタの解説(実家同士) |
|---|---|---|
| 一般的な相場 | 友人や近所の方へ3,000~5,000円 | 3,000円~5,000円 |
| 手厚くする場合 | 特にお世話になった方へ5,000~10,000円 | 特にお世話になった年は1万円ぐらいまで |
| 贈る時期 | 関東12月1日~12月20日、関西12月10日~12月25日など地域で差 | 記載なし |
| やめどきの目安 | 記載なし | 親同士の贈り合いは3年~5年までという意見 |
「なぜ始まったか」でやめ方が変わる
三つ目に確認したいのが、そのお歳暮がどんなきっかけで始まったかです。始まりの理由によって、切り出しやすいタイミングと伝える相手が変わります。
代表的なのは、子どもの結婚を機に始まった両家の親同士のやり取り、親が生前お世話になった親戚との贈り合い、就職や進学で援助を受けたお礼として始めたもの、の3パターンです。結婚がきっかけなら、結婚から数年が経った節目が区切りにしやすく、前述の「3年~5年」の目安とも重なります。親の代から続くものなら、親が亡くなった、施設に入った、といった代替わりのタイミングが自然です。
援助へのお礼として始めた場合は注意が必要です。恩を受けた側から一方的にやめると、「恩を忘れた」と受け取られる可能性があります。この場合は、品物をやめる代わりに帰省時に顔を見せる、手紙で近況を伝えるなど、感謝の表し方を変える提案にするとよいでしょう。
また、始まりがはっきりしない「昔からの慣習」の場合は、どちらが先に始めたかにこだわる必要はありません。年長者のいる側、あるいは負担を強く感じている側から、相談の形で持ちかけるのが現実的です。
一気にやめるか、3年かけて減らすか|段階的フェードアウトの手順

基本は「1年目お中元→2年目減額→3年目挨拶状」の3段階
親戚とのお歳暮をやめる方法として、多くのギフト解説で紹介されているのが3年がかりの段階的なやめ方です。楽天市場のお歳暮ガイドでは、次の流れが示されています。
1年目は、お中元を贈らずに暑中見舞いだけを出し、お歳暮はこれまで通り贈ります。2年目は、お歳暮の金額を例年より低く抑えます。例として、5,000円の品物を贈っていたところを3,000円程度にする、と紹介されています。3年目は、お歳暮そのものを贈らず、年末の挨拶状で一年の感謝を伝えます。
この方法の利点は、相手が変化に気づく時間を持てることです。2年かけて「少しずつ形を変えているのだな」と伝わるため、3年目に品物が届かなくても驚かれにくくなります。言葉で切り出すのが苦手な方や、関係が形式的で改まって話す機会がない親戚には向いています。
デメリットは、やめるまでに時間がかかることと、相手によっては変化の意図が伝わらず「今年は安くなった」とだけ受け取られる場合があることです。そのため、段階的に減らす場合でも、どこかの年のお礼状や挨拶状で一言添えておくと確実です。
例年お歳暮を贈り合っていた叔母に、ある年から何も連絡せずに贈るのをやめたところ、年明けに「体調でも崩したのかと心配した」と電話がかかってきた——という形は典型的なつまずき方です。
原因:品物をやめたことと、挨拶まで止まったことが重なり、相手に理由が見えなかった。
対策:一気にやめる場合でも、年末の挨拶状か電話で「今年から品物は控えさせていただきます」と先に伝える。段階的にやめるなら、挨拶状だけは例年通り出す。
親しい相手なら「一度に話してやめる」ほうが誤解が少ない
段階的なやめ方が向いている一方で、日ごろから電話で話す仲の親戚なら、一度で話してやめるほうがすっきりします。3年かけて少しずつ減らすと、「最近お歳暮が安くなったけれど、家計が苦しいのかしら」と余計な心配をかけることもあるからです。
一度にやめる場合の流れはシンプルです。まず例年のお歳暮へのお礼を伝え、相手の近況を尋ねます。そのうえで「お互い年齢も重ねたので、今年からは品物のやり取りは控えませんか」と提案し、最後に「これからも変わらずよろしくお願いします」で締めます。シャディの解説で示されている電話での辞退の流れも、この順番です。
この方法が向いているのは、兄弟姉妹やその配偶者、いとこなど、同世代で気心の知れた親戚です。お互いに「実はこちらもやめたかった」となることも珍しくありません。
注意点は、相手が目上の場合です。叔父・叔母など年長の親戚に「やめませんか」と持ちかけると、ぶしつけに聞こえることがあります。目上の相手には、提案ではなく「お気遣いいただくのが心苦しいので」とこちらの事情を述べる形にするほうが穏やかです。
お歳暮だけ贈っている場合は「年賀状への移行」で区切る
お中元のやり取りがなく、もともとお歳暮だけの関係なら、3段階のうち1年目の工程は省けます。この場合は、1年目に金額を少し抑え、2年目からは品物をやめて年末の挨拶状と年賀状だけにする、という2段階で考えると進めやすくなります。
2年目に品物をやめる際は、12月のうちに挨拶状を送り、一年の感謝と「本年より品物のご挨拶は控えさせていただきます」旨を添えます。お歳暮を贈る時期は地域で差があり、小田急百貨店の解説では関東で12月1日~12月20日、関西で12月10日~12月25日が目安とされています。相手が例年お歳暮を手配する時期より前に届くようにすると、行き違いを防げます。
この方法は、遠方に住んでいて帰省の機会が少ない親戚にも使いやすいのが利点です。年賀状という「年に一度の便り」が残るため、つきあいが完全に途切れる不安がありません。
一方、相手が年賀状じまいをしている場合は、この方法の受け皿がなくなります。その場合は、寒中見舞いや電話、帰省時の手土産など、別の接点を用意しておくことが必要です。相手の年賀状の有無は、事前に確認しておきましょう。
切り出すのは誰から、いつ、どの手段で?
両家の親同士なら、話しやすい側から「相談」として
子どもの結婚を機に始まった両家の親同士のお歳暮は、誰から切り出すかで悩みやすいものです。ギフタの解説では、伝統的な考え方として夫側の実家から提案するという見方を紹介しつつ、現代では両家が対等という価値観が広がっているため、柔軟に考えてよいとしています。
実務的には、間に立つ子ども夫婦が橋渡し役になるのが円滑です。たとえば、妻の母が負担に感じているなら、妻が夫を通じて夫側の両親の意向を聞き、両家ともやめたいと分かった時点で、親同士が電話で確認し合う、という流れです。直接言いにくいことも、子ども経由なら「あちらもそう思っていたようです」と伝えやすくなります。
この方法の良いところは、どちらが言い出したかがあいまいになり、「先に言われてしまった」というしこりが残りにくいことです。
ただし、子ども夫婦に負担がかかりすぎないよう注意してください。橋渡しを頼むのは意向の確認までにとどめ、最終的な「やめましょう」の一言は親同士で交わすほうが、礼を尽くした形になります。
実は「年末以外」に切り出すほうが伝わりやすい
意外と見落とされがちですが、お歳暮をやめる話は、お歳暮の時期そのものではなく、それより前の落ち着いた時期に切り出すほうが伝わりやすい面があります。
理由は単純で、12月に入ると相手はすでに品物を手配していることが多いからです。小田急百貨店の解説では、関東のお歳暮の時期が12月1日~12月20日とされており、百貨店やネットショップの予約はそれより前から始まります。手配済みの段階で「今年からやめましょう」と言われると、相手は品物を取り消すか、届いた後に気まずい思いをするかのどちらかになります。
話しやすいのは、夏の帰省やお盆の集まり、秋の法事など、顔を合わせる機会です。直接会えない相手なら、お中元のお礼状や暑中見舞いの返事の中で触れておき、秋に電話で確認する、という二段構えも有効です。
もちろん、お歳暮が届いた後のお礼状で伝える方法もあります(次の章で文例を紹介します)。ただしその場合、その年の分はすでに受け取っているため、やめるのは翌年からになる点を踏まえておきましょう。
電話・手紙・対面は「相手の年齢と距離」で選ぶ
伝える手段は、相手との距離感と年齢で選ぶのが目安です。贈答マナーの解説でも、両親・親戚・友人など親しい間柄なら電話で辞退を伝えてかまわないとされています。電話なら声の調子で気持ちが伝わり、その場で相手の反応も分かります。
一方、高齢の親戚には手紙が向いている場合があります。耳が遠くなっていて電話の内容が伝わりにくい、あるいは内容を家族と共有してから考えたい、という方もいるからです。手紙なら何度も読み返せ、同居の家族にも意図が伝わります。
対面は最も気持ちが伝わる手段ですが、法事など大勢が集まる場で切り出すと、ほかの親戚の前で相手に返答を迫る形になりかねません。対面で話すなら、二人きりになれるタイミングを選びましょう。
メッセージアプリは、日ごろからやり取りしている同世代の親戚なら問題ありません。ただし目上の親戚には、軽い印象を与えることがあります。迷ったら「電話で話し、手紙で念押し」の組み合わせが確実です。
| 相手 | おすすめの手段・やめ方 | 切り出す時期の目安 |
|---|---|---|
| 子どもの配偶者の両親 | 子ども夫婦経由で意向確認→親同士が電話 | 結婚から数年の節目、夏〜秋 |
| 年長の叔父・叔母 | 段階的に減らす+手紙で一言 | お礼状や暑中見舞いの機会 |
| 兄弟姉妹・いとこ | 電話やメッセージで一度に提案 | お盆や帰省の前後 |
| 親の代からの遠縁 | 代替わりを機に挨拶状で伝える | 親の法要・代替わりの後 |
そのまま使える伝え方の文例|電話・お礼状・挨拶状
文例の骨組みは「お礼→理由→今後もよろしく」の3つ
どの手段で伝えるにしても、文面の骨組みは共通です。最初に長年のお心遣いへのお礼、次にやめたい理由、最後にこれからも変わらないおつきあいのお願い、の3つを入れます。シャディの例文でも、冒頭で感謝を述べ、「どうか今後はこのようなお心遣いなさいませんよう、お願い申し上げます」と記す形が示されています。
この順番が大切な理由は、最初に理由から入ると言い訳めいて聞こえ、最後にお願いで終わると要求だけが残るからです。お礼で始まり、今後の関係への言葉で終われば、全体の印象が柔らかくなります。
理由は、具体的すぎなくてかまいません。「年齢を重ねて」「子どもたちも独立し」「お互いに気を遣わせてしまうので」など、相手が納得しやすい言葉を選びましょう。家計の事情を正直に書く必要はなく、相手を気遣う理由のほうが受け止めてもらいやすくなります。
避けたいのは、「虚礼廃止」「形式的なやり取りは不要」といった強い言葉です。職場の通知文のような響きになり、親戚相手には冷たく感じられます。自分の言葉で、相手の顔を思い浮かべながら書くことが一番の近道です。
電話で伝えるときの言い回し
電話では、要点を短くまとめて話すのがコツです。たとえば次のような流れになります。
「いつもお心遣いをいただいて、ありがとうございます。叔母さんもお変わりありませんか。実は、私たちもだんだん年を重ねてきましたし、毎年お気遣いいただくのが申し訳なくて。もしよろしければ、今年からお歳暮のやり取りは控えさせていただけないかと思いまして。これからも変わらず、どうぞよろしくお願いします。」
兄弟姉妹やいとこなど同世代なら、「お互い子どもも手を離れたし、そろそろお歳暮はやめにしない?その分、帰省したときにゆっくり話そうよ」くらいの軽さでも十分伝わります。
電話の注意点は、相手が即答しにくい場合があることです。特に配偶者と相談したい方もいるため、「すぐにお返事いただかなくても大丈夫です」と添えておくと、相手に考える余地を残せます。また、電話で合意した後に念押しとして短い手紙を送っておくと、翌年の行き違いを防げます。
お礼状・挨拶状に添える一文
お歳暮が届いた後のお礼状で伝える場合は、品物へのお礼を先に述べてから、最後に一文を添えます。
「このたびは結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。家族一同でおいしくいただいております。つきましては、毎年のお心遣いが心苦しく、どうか来年からはこのようなお気遣いはなさいませんようお願い申し上げます。今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。」
こちらから贈るのをやめる年の年末の挨拶状なら、「本年も大変お世話になりました。誠に勝手ながら、本年より季節のお品のご挨拶は控えさせていただき、書面にて御礼申し上げることといたしました。来る年も皆様にとって穏やかな一年となりますようお祈り申し上げます」といった形が使えます。
注意点として、お礼状で辞退を伝えても、相手がその年のお歳暮を手配した後だと行き違いが起きます。受け取る側・贈る側どちらの立場でも、書面で伝えるなら翌年の手配時期より前に届くことを意識してください。相手別にもっと多くの言い回しを知りたい場合は、次の記事で文例を整理しています。

相手からまだ届いたときはどうする?受け取り後の対応
辞退後に届いたら、まず受け取ってお礼を伝える
辞退を伝えたのに、相手からお歳暮が届くことがあります。手配が済んでいた、あるいは相手が「そうは言っても」と気を遣ってくれた、などの理由です。この場合は、まず受け取ってお礼を伝えるのが基本です。
シャディの解説では、お歳暮を断る方法として、品物はそのまま受け取り、お礼状に「今後このようなお心遣いは無用です」と書き添える方法が挙げられています。届いた品を送り返すのは、立場上どうしても受け取れない場合に限った対応とされています。
親戚の間で送り返すと、相手の厚意を突き返す形になり、関係に傷がつきやすくなります。たとえば、公務員は利害関係者からの贈与の受け取りが公務員倫理法の問題になると解説されていますが、親戚同士のやり取りはそうした事情とは別の話です。家族間では「ありがたく頂戴して、改めてお願いする」が穏当です。
注意したいのは、お礼の連絡を後回しにしないことです。届いたことを知らせる連絡が遅れると、相手は「気を悪くしたのでは」と心配します。電話でもはがきでも、届いたらなるべく早くお礼を伝えましょう。
何度伝えても届くなら「御礼」で同額以上を返す
一度辞退を伝えても、翌年以降も続けて届く場合があります。相手にとっては「やめる」という選択肢が心苦しく、贈り続けることでつながりを保ちたいのかもしれません。
シャディの解説では、辞退の気持ちが伝わらない場合の方法として、「御礼」として同額以上の品を贈る方法が紹介されています。受け取る一方にならないことで、相手に「気を遣わせている」と気づいてもらうきっかけになります。
ただし、これは関係を続けるための対応であり、やめるための近道ではありません。同額以上を返すと、相手も「お返しをいただいたから、また贈らなければ」と感じ、かえって贈り合いが固定される場合があります。お返しの品に添える手紙で、改めて辞退の気持ちを丁寧に伝えることが欠かせません。
相手がどうしても贈り続けたい様子なら、無理に止めず、品物の価格帯を下げてもらう、日持ちする消えものにしてもらうなど、負担の少ない形に落ち着かせる選択肢もあります。
電話で辞退を伝えた翌年、義理の兄から例年通りお歳暮が届き、「言ったのに」と開封せずに返送した結果、相手が気分を害して法事でもよそよそしくなった——という形は避けたいつまずき方です。
原因:相手の手配がすでに済んでいた可能性を考えず、厚意を突き返す形になった。
対策:親戚からの品はいったん受け取り、お礼状で改めて辞退をお願いする。返送は勤務先の規定などで受け取れない場合に限る。
喪中の年は「やめる話」を持ち出さない
相手が喪中の年に、お歳暮をやめる話を切り出すのは避けたほうが無難です。身内を亡くしたばかりの相手に「今後のやり取りを控えたい」と伝えると、つながりを断たれたように感じさせてしまうおそれがあります。
小田急百貨店の解説では、相手が喪中でもお歳暮を贈ること自体は問題ないとしたうえで、相手を労わるメッセージを添える配慮が必要とされています。華やかなフラワーギフトや生鮮食品は避けるべきとも書かれています。喪中の年は例年通りか、控えめな品で気持ちを伝え、やめる話は翌年以降に回すのが穏やかです。
こちらが喪中の場合は、状況が変わります。故人の代で続いていたお歳暮なら、喪中を機に区切りをつけるのは自然な流れです。四十九日を過ぎて落ち着いたころ、「故人が生前お世話になりました」とお礼を述べたうえで、今後は控えさせていただきたいと伝えるとよいでしょう。
ただし、喪中や忌明けの扱いは、宗教・宗派や地域、家の考え方によって異なる場合があります。迷ったときは、年長の家族や菩提寺などに相談してから進めると安心です。
お歳暮をやめた後も親戚づきあいを続ける代わりの挨拶
年賀状と寒中見舞いで「年に一度の便り」を残す
お歳暮をやめた後、関係をつなぐ役目を果たすのが季節の挨拶状です。楽天市場のお歳暮ガイドでも、段階的にやめる期間中は暑中見舞いや年賀状での挨拶を続けるよう勧めています。
年賀状を出す習慣がない場合や、相手が年賀状じまいをしている場合は、寒中見舞いが使えます。郵便局のネットショップの解説では、寒中見舞いの時期は小寒(1月7日)から立春(2月4日)までが基本で、立春を過ぎると余寒見舞いに名前が変わり、2月末日または3月初旬までが目安とされています。寒中見舞いは喪中でも送れるため、相手やこちらが喪中の年でも使えるのが利点です。
挨拶状には、品物の代わりに近況を一言添えると温かみが出ます。「孫が小学校に上がりました」「春には一度そちらに伺いたいと思っています」など、相手が返事を書きたくなる話題を入れると、やり取りが続きやすくなります。
注意点として、松の内の期間は地域で異なり、小田急百貨店の解説では関東は1月7日まで、その他地域は1月15日までとされています。家によっても考え方が違うため、寒中見舞いは相手の地域の松の内が明けてから出すと安心です。
帰省や法事の手土産に「気持ち」を移す
品物のやり取りを完全にゼロにすることに抵抗があるなら、お歳暮の代わりに、会うときの手土産に気持ちを込める方法があります。マナー解説の中には、お歳暮のお返しをやめる代わりにお土産やお年賀で代替するのも一つの手、と紹介されています。
この方法の良いところは、年に一度の決まった贈答ではなく、会ったときの自然な気遣いになることです。帰省時にお菓子を一箱持っていく、正月に顔を合わせる際にお年賀を手渡す、という形なら、お互いに「お返しをしなければ」という負担も生じにくくなります。
手土産にするなら、日持ちして家族で分けやすいお菓子や、使えばなくなる消えものが選びやすいでしょう。消えものの選び方は、こちらの記事で整理しています。

贈り物を選ぶとき、「相手の家に物が増えてしまわないか」で手が止まることはないでしょうか。趣味がわからない相手、すでに何でも持っている相手、飾る場所に困りそうな相…
注意したいのは、手土産の金額がお歳暮と同じくらいに膨らんでしまうことです。それでは形を変えただけで負担は減りません。手土産は「会えたことへの気持ち」程度にとどめ、相手からのお返しも期待しない、と割り切るのが長続きのコツです。
高齢の親戚には電話や写真で近況を届ける
高齢の親戚とのお歳暮をやめる場合、品物がなくなった分、「元気にしているか」を伝える手段を意識して増やしたいところです。お歳暮が年に一度の安否確認の役割も兼ねていた家庭では、品物が届かなくなると、それまで以上に相手の様子が気になるものです。
手軽なのは、年末や誕生日に電話をかける、家族の写真をプリントして手紙に同封する、といった方法です。スマートフォンを使う方なら、写真をメッセージで送るだけでも十分喜ばれます。品物よりも、孫の成長や家族の近況のほうが心に残る、という高齢の方は少なくありません。
また、相手自身が高齢で、贈ることが負担になっているケースもあります。その場合は「叔母さんにも無理をさせたくないので」と、相手の負担を減らす提案として伝えると受け止めてもらいやすくなります。高齢の方へのやめ方の文例は、次の記事で相手別に紹介しています。

長年続けてきたお歳暮を、そろそろ終わりにしたい。けれど「急にやめたら気を悪くされないだろうか」「高齢を理由にするのは言い訳がましくないだろうか」と、はがき1枚が…
注意点として、電話や写真は「こちらの都合のよいとき」だけにならないよう、年末など時期を決めて続けることが大切です。お歳暮という決まった機会がなくなる分、自分でリズムを作っておくと、つきあいが自然に途切れるのを防げます。
まとめ
まずは、いま親戚とお歳暮をいくらでやり取りしているか、お中元もあるかを書き出してみてください。そのうえで、次に顔を合わせる機会か、夏の挨拶状のタイミングで「お互い気を遣わずにいきませんか」と一言伝えるところから始めれば十分です。
※相場や時期は各社の解説にもとづく目安で、地域や家ごとの慣習によって異なる場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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