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四十九日が近づいて香典返しの手配を始めたものの、いただいた香典の額が人によってばらばらで、何を何円分返せばいいのか決めきれない——弔事の返礼品でいちばん多い手詰まりがここです。品物を一つひとつ選ぶ余力もない時期に、相手の好みまで読み切るのは現実的ではありません。
結論から言えば、香典返しの主流はすでにカタログギフトに移っています。リンベルが公表しているアンケートでは、香典返しでカタログギフトを受け取って「とてもうれしい」「うれしい」と答えた人は全体の66%。理由は単純で、贈られた側が自由に好きなものを選べるからです。贈る側にとっても、掛け紙と挨拶状がセットで無料になる会社が多く、手配が1回で済みます。
この記事では、ハーモニック・リンベル・シャディの弔事向けカタログギフトを公式サイトの現行コース価格で並べ、いただいた香典額から逆算してどのコースを選ぶかまで具体的な数字で整理します。掛け紙の表書きや贈る時期といった、金額と同じくらい間違えやすいマナーもあわせて確認していきます。
・香典額から逆算する、返礼コースの決め方(半返しと3分の1返しの分かれ目)
・ハーモニック・リンベル・シャディの現行コース価格を並べた比較表
・税込3,190円から始まる価格表示の仕組みと、コース名の金額との差
・掛け紙の表書き・水引・贈る時期を宗教と地域で使い分ける基準
香典返しにカタログギフトが選ばれる理由は、66%が「うれしい」と答えた自由度

好みが読めない相手ほど「選んでもらう」返礼が効く
香典をいただく相手は、親族・故人の友人・職場の同僚・近隣の方と幅が広く、年齢も生活スタイルもそろいません。だからこそ、受け取った側が自分で品物を選べるカタログギフトが返礼品として機能します。リンベルが公表しているアンケートでは、香典返しでカタログギフトを受け取った人のうち66%が「とてもうれしい」「うれしい」と回答しており、同社は従来の定番品からカタログギフトへのシフトが進んでいると説明しています。
従来の定番だったタオルやお茶が消えたわけではありません。タオルには「悲しみを包み込み、不幸を拭う」という意味合いがあり、お茶や調味料は日持ちする消えものとして今も選ばれています。ただ、これらは「相手がすでに同じものを持っている」確率も高い品目です。20人に同じタオルを送れば、何人かの手元では確実に余ります。
一方で注意したいのは、カタログギフトが万能ではないこと。受け取った側が申し込みの手間を負う仕組みなので、後述する申込期限の管理が必要になります。全員に同じ体験を届けられるぶん、「あの人にはこれを」という個別の心配りは形として見えにくくなります。品物で気持ちを伝えたい相手が数人いるなら、その人たちだけ別の品にするという分け方も現実的です。

葬儀が終わって少し落ち着いたころ、多くの方が最初につまずくのが香典返しの品選びです。「定番と言われるお茶や海苔でいいのだろうか」「かといって変わったものを贈って…
一度に大勢へ贈るときは、掛け紙と挨拶状の手配で差がつく
香典返しは、金額の判断よりも事務作業の量で消耗します。弔事向けのカタログギフトを扱う各社は、この負担を前提にサービスを組んでいます。ハーモニックは、のし・包装紙・掛け紙と挨拶状・奉書をいずれも無料とし、税込2,750円以上で全国送料無料。シャディは全品送料無料に加え、仏式(戒名あり・なし)・神式・天理教式・キリスト教式の奉書を無料で作成できます。
リンベルも包装紙とのしが無料で、定型文の挨拶状は無料、文面を自分の言葉に変えたいときのオリジナル挨拶状は1,100円〜3,300円で用意されています。つまり、宗教・宗派に合わせた挨拶状と掛け紙を、品物の手配と同じ画面で完結できるということです。葬儀社経由で個別に依頼すると別料金になりがちな部分が、最初から込みになっています。
ここで見落としやすいのが、掛け紙の地域仕様です。シャディの掛け紙は「結び切り」「結び切り・関東用」「結び切り・関西用」「ゆり柄」の4種類から選ぶ形式で、選択を誤るとそのまま相手先に届きます。注文フォームの選択肢を流し読みして既定値のまま進めると、関西の親族に関東用の表書きが届くといった行き違いが起きます。送り先が複数の地域にまたがる場合は、地域ごとに注文を分ける前提で考えておくと安全です。
「失礼になる」という不安と、値段が調べられるというデメリット
カタログギフトを弔事に使ってよいのか、という不安は根強く残っています。ハーモニックは公式メディアで、法事の引き出物や香典返しにカタログギフトを贈ることは一般的に失礼にはあたらず、弔事の返礼品の選択肢の1つとして広く利用されていると説明しています。高額な香典にも幅広い価格帯で対応でき、掛け紙やお礼状といったマナー対応が整っていることを利点として挙げています。
ただし、正直に言えばデメリットもあります。最大のものは「値段がわかる」こと。店頭やインターネットで購入できるカタログギフトは、コース名を検索すれば価格が表示されます。商品券や金券が目上の方への返礼として避けられる傾向にあるのと、理屈のうえでは近い問題です。金額を知られて困る相手がいるなら、掲載点数や表紙の格が価格帯の差として見えにくいシリーズを選ぶ、という対処になります。
目上の方へ贈る場合の実務的な指針もはっきりしています。華美なものやポップすぎるデザインは避け、シックで高級感のある表紙、できれば弔事専用のカタログを選び、掛け紙と挨拶状をつけて贈る。これが各社のマナー解説に共通する基準です。慶弔どちらにも使える汎用カタログをそのまま流用すると、表紙の色味が弔事の場にそぐわないことがあります。
コースの金額は、いただいた香典から逆算して決める
基本は半返し、3分の1でよいケースもある
香典返しの金額は、いただいた香典の半額(半返し)または3分の1が目安です。1万円の香典なら5,000円程度、5,000円の香典なら2,500円程度の品を返す計算になります。シャディは、5,000円〜1万円の香典に対しては2,500円〜5,000円程度の品を用意するとよいと案内しています。
3分の1に軽くしてよいケースも明示されています。リンベルは、一家の主を亡くした場合や、遺族が幼い子どもである場合は3分の1程度とする考え方を紹介しています。残された家族の生活を支える意味合いで香典が包まれているため、返礼を軽くしても差し支えない、という整理です。ここを知らずに全員へ機械的に半返しをすると、遺族の負担だけが増えます。
もう一つ押さえておきたいのが地域差です。半返しではなく三分の一返しが主流の地域や、そもそも香典返しの習慣がない地域もあり、慣習は地域によって異なる場合があります。判断に迷ったら、同じ地域で葬儀を出した親族に確認するのがいちばん確実です。全国共通の正解を探すより、その土地でどうされているかを1本電話で聞くほうが早く、間違いがありません。
| いただいた香典 | 返礼の考え方 | 選びやすいコース |
|---|---|---|
| 5,000円 | 半返しで2,500円程度 | 当日返しの品で完結させる |
| 10,000円 | 半返しで5,000円程度 | 税込5,390円前後のコース |
| 20,000円 | 半返しで10,000円 | 税込11,990円のコース |
| 30,000円 | 半返しなら15,000円、3分の1返しなら10,000円程度 | 税込11,990円〜17,490円 |
| 50,000円以上 | 3分の1〜4分の1で調整 | 税込14,190円〜22,990円 |

当日返しをしているなら、差額だけを忌明け後に送る
通夜や葬儀の当日に返礼品を渡す「当日返し(即日返し)」が増えています。この場合、いただく香典の金額が事前にわからないため、金額に関わらず一律の品物を返すのが基本で、2,000円〜3,000円程度の品物を用意するのが一般的です。5,000円の香典に対する半返しがこの範囲に収まるため、多くの方にはこれで完結します。
調整が必要になるのは1万円以上の香典をいただいた方です。シャディは、2万円の香典をいただいた場合、相場は半返しの1万円なので、当日返しの3,000円を差し引いた7,000円程度の品物を四十九日後に送付する、という考え方を示しています。つまりカタログギフトで選ぶべきは「香典の半額」ではなく「半額から当日返し分を引いた額」です。
ここを混同すると返礼が二重になります。当日返しの記録と芳名帳の金額を突き合わせる作業は手間ですが、この照合を飛ばすと、同じ方に合計で香典額に近い品を送ってしまうことが起こり得ます。葬儀社が当日返しの数量を記録している場合が多いので、忌明けの手配前に一度データをもらっておくと作業が速く進みます。
高額の香典に半返しを当てはめると、遺族の負担だけが膨らむ
失敗として多いのが、5万円・10万円といった高額の香典にも半返しの原則をそのまま適用してしまうケースです。シャディは、高額な香典には必ずしも半返しにこだわる必要はなく、3分の1から4分の1程度の品を送るのがよいとしています。5万円なら16,000円〜12,500円程度、10万円なら33,000円〜25,000円程度が一つの目安になります。
原因は、香典の性格を取り違えることにあります。親族や故人と近しい方からの高額な香典には、葬儀費用や残された家族の生活を支える意図が含まれています。そこへ半額を返すと、援助の意味が打ち消されるうえ、遺族の手元にも残りません。返礼の額を抑えることが、かえって相手の意図に沿う場面があります。
対策は、香典の金額帯ごとに返礼のルールを先に決めてしまうことです。「3万円までは半返し、5万円以上は3分の1」のように線を引いておけば、1件ごとに悩む時間がなくなります。額を抑えたぶんは、挨拶状の文面を定型文からオリジナルに変えて言葉を足す、といった形で補えます。リンベルならオリジナル挨拶状が1,100円〜3,300円で作成できます。
価格表示は税込3,190円から|コース名の金額と支払額がずれる仕組み

カタログギフトの価格は「商品本体の額+システム料(カタログ制作費・配送費・事務手数料にあたる費用)+消費税」で構成されます。リンベルの「ののみや(野宮)&アイリスコース」なら、本体4,000円+システム料1,000円で、支払額は税込5,500円。カタログの名称に付く金額は本体額を指すため、実際の支払額はそれより上になります。
「2,900円コース」の支払額が3,190円になる理由
カタログギフトの価格表記は2通りあります。コース名に本体額を使う表記と、支払額(税込・システム料込)で並べる表記です。シャディのアズユーライクは全15コースを2,900円コース〜100,900円コースと本体額で呼び、2,900円コースの実際の支払額は税込3,190円になります。一方ハーモニックの「和(なごみ)」は、最初から税込・システム料込の3,190円〜55,990円で表示されます。
この違いを知らずに予算を組むと、着地が数百円ずつずれます。20人へ贈るなら、1件あたり290円の差でも合計では無視できない額になります。比較するときは「支払額どうし」で並べるのが鉄則です。
リンベルは商品ページで内訳まで開示しており、「まつかぜ(松風)コース」は本体3,500円+システム料900円で税込4,840円。「ののみや(野宮)&アイリスコース」は本体4,000円+システム料1,000円で税込5,500円です。本体額が上がるとシステム料も段階的に上がる構造になっているため、高額帯ほど本体額と支払額の差は開きます。

カタログギフトを3000円で探し始めると、似たような表紙が並び、値段だけが微妙に違う画面にたどり着きます。3,190円、3,300円、3,850円。この数百円の…
香典返しで動くのは税込3,190円〜6,490円の帯
各社の弔事向けカタログを並べると、5,000円〜1万円という一般的な香典額に対応する価格帯が、税込3,190円・3,740円・4,290円・4,840円・5,390円・6,490円という刻みでそろっていることがわかります。ハーモニックの「和」、シャディのアズユーライク瑠璃はいずれもこの刻みで、事実上の業界標準になっています。
使い分けの目安はこうです。5,000円の香典に当日返しをしていないなら税込3,190円のコース、1万円の香典への半返しなら税込5,390円のコース、当日返し済みで差額を返すなら税込3,190円〜4,290円のコース。香典額が2万円を超えたところから、税込11,990円以上の帯に移ります。
注意したいのは、下限より安い返礼を無理に探さないことです。各社の弔事向けカタログは税込3,190円が下限で、これより低い価格帯はカタログギフトではなくタオルやお茶といった品物の領域になります。2,000円台の返礼が必要な場面では、カタログギフトにこだわらず当日返しの定番品に切り替えたほうが選択肢が広がります。
価格が上がっても掲載点数はそれほど増えない
「高いコースほど載っている商品が多い」と考えがちですが、総合型カタログでは必ずしもそうなりません。ハーモニックの「和」は全16コースのすべてで掲載点数が最大約2,280点、最大442ページとそろっており、価格による点数の差はほぼありません。上位コースで変わるのは点数ではなく、掲載されている商品1点あたりのグレードです。
点数の差が出るのは、シリーズをまたいで比べたときです。シャディのアズユーライクは2,900円コースが約730点、10,900円コース(税込11,990円)が約1,130点と、価格帯によって冊子の厚みが変わります。リンベルの弔事専用カタログも、まつかぜ(松風)コースが約630点、ののみや(野宮)&アイリスコースが約1,110点、いづつ(井筒)&ジュピターコースが約1,160点と差があります。
この構造を踏まえると、選び方の軸は「点数の多さ」ではなく「価格帯に対して点数が十分か」になります。税込3,190円のコースで2,000点超から選べるハーモニックの「和」のような組み合わせは、受け取る側の選択肢という意味で効率がよい配置です。逆に、上位コースへ上げるときは点数ではなく中身の質で判断することになります。
主要3社の弔事向けコースを数字で並べる
ハーモニック:税込3,190円から16コース、掲載は約2,280点
ハーモニックの弔事向けラインは、和風総合版の「和(なごみ)」と洋風総合版の「テイク・ユア・チョイス」が軸です。いずれも全16コース、税込3,190円〜55,990円(システム料込)で、和は最大約2,280点・グルメ約260点、テイク・ユア・チョイスは最大約2,290点・グルメ約270点を掲載します。最大442ページ、うちグルメが128ページという構成です。
「和」のコース名は織物の名称で統一されており、小紋(こもん)3,190円、絣(かすり)3,740円、更紗(さらさ)4,290円、紬(つむぎ)4,840円、綸子(りんず)5,390円、銘仙(めいせん)6,490円と続きます。上の帯は縮緬(ちりめん)7,590円、大島(おおしま)8,690円、紗綾(さや)9,790円、桐生(きりゅう)11,990円、袷(あわせ)14,190円、結城(ゆうき)17,490円。最上位は羽二重(はぶたえ)55,990円です。
香典返しでは、和風の落ち着いた表紙という点で「和」を選ぶ方が多い一方、受け取る側の年齢層が幅広い場合は洋風の「テイク・ユア・チョイス」も選択肢になります。同価格帯には凛、ファインチョイス、ナチュールといった姉妹シリーズがあり、こちらも税込3,190円〜55,990円で並びます。表紙の印象が選択の決め手になるため、注文前に公式サイトで表紙画像を確認しておくと迷いません。
リンベル:弔事専用13コース、2冊組で雑貨とグルメから選べる
リンベルは弔事専用のカタログギフトを全13コース、税込3,190円〜110,990円で展開しています。特徴は2冊組のコースがあること。「ののみや(野宮)&アイリスコース」は税込5,500円で、服飾・生活雑貨のカタログ約770点とグルメのカタログ約340点、合計約1,110点から1点を選ぶ形式です。「いづつ(井筒)&ジュピターコース」は税込6,600円で、雑貨約770点+グルメ約390点の合計約1,160点。
単冊のコースもあり、「まつかぜ(松風)コース」は服飾・生活雑貨約630点で税込4,840円、「まつかぜ(松風)&ダイアナコース」は税込4,950円、「あたか(安宅)&ビーナスコース」は税込12,100円です。2冊組は相手の手元でボリュームが出るぶん、同価格帯の単冊より届いたときの見え方が変わります。
商品券やギフトカードも選べるようにしたい場合は「バリューチョイス」(税込5,500円〜34,100円、小波コースは税込17,600円)があります。ただし金券が選べることは、受け取る側の自由度を上げる一方で、返礼に金券を含めること自体を避けたい相手がいる点は考慮が必要です。年配の方や目上の方が多い送り先では、弔事専用カタログのほうが無難です。
| 支払額 | 税込5,500円(本体4,000円+システム料1,000円) |
| 掲載点数 | 約1,110点(服飾・生活雑貨 約770点/グルメ 約340点) |
| 冊子の形式 | 雑貨とグルメの2冊組から1点を選ぶ |
| のし・挨拶状 | 包装紙・のしは無料、定型文の挨拶状も無料 |
シャディ:和風表紙の瑠璃と洋風表紙を、花の名前で選べる
シャディのアズユーライクは全15コース、2,900円コース〜100,900円コースの展開で、香典返し用には和風表紙の「瑠璃」が用意されています。コース名は花の名前で、向日葵(ひまわり)税込3,190円、紫陽花(あじさい)税込3,740円、撫子(なでしこ)税込4,290円、桜草(さくらそう)税込4,840円、山茶花(さざんか)税込5,390円、蒲公英(たんぽぽ)税込6,490円と並びます。
洋風表紙にも香典返し向けの掲載があり、ハイビスカス税込4,840円、ジャスミン税込5,390円、ブーゲンビリア税込6,490円が同じ価格帯で選べます。掲載点数は2,900円コースが約730点、10,900円コース(税込11,990円)が約1,130点です。全品送料無料で、包装紙はラピス、バイオレット、リリーラベンダー、シルバータッチの4種類から選べます。
シャディを選ぶ利点は、掛け紙の地域対応と挨拶状の宗教対応が注文画面で完結することです。掛け紙は結び切り、結び切り・関東用、結び切り・関西用、ゆり柄の4種類。挨拶状は仏式(戒名あり・なし)・神式・天理教式・キリスト教式の奉書を無料で作成できます。天理教式まで標準で選べる点は、宗派が明確な家庭では実務的な差になります。
| 項目 | ハーモニック 和 | リンベル 弔事専用 | シャディ アズユーライク瑠璃 |
|---|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 3,190円〜55,990円 | 3,190円〜110,990円 | 3,190円〜(全15コース) |
| コース数 | 全16コース | 全13コース | 全15コース |
| 掲載点数 | 最大約2,280点 | 約630点〜約1,160点 | 約730点〜約1,130点 |
| 冊子の形式 | 1冊(最大442ページ) | 単冊と2冊組の両方 | 1冊(和風・洋風表紙) |
| 掛け紙・挨拶状 | のし・掛け紙・奉書すべて無料 | 定型文は無料/オリジナル1,100円〜3,300円 | 掛け紙4種・奉書4宗教分が無料 |
| 送料 | 税込2,750円以上で無料 | 公式サイトの条件による | 全品送料無料 |
グルメ専門型と総合型、迷ったときの分かれ道
グルメ専門型は税込4,400円から、点数は約270点〜約320点
食べ物に絞ったカタログを選びたい場合、ハーモニックには和風テイストの「美食万彩」と洋風テイストの「ア・ラ・グルメ」があります。どちらも全11コース、税込4,400円〜56,100円(システム料込)。掲載点数は美食万彩が最大約270点・最大154ページ、ア・ラ・グルメが最大約320点・最大210ページです。
総合型と比べると点数は10分の1程度ですが、これは弱点ではありません。総合型のグルメ欄は「和」で約260点、「テイク・ユア・チョイス」で約270点なので、グルメの選択肢という意味ではほぼ同等です。専門型は同じ点数をより大きな誌面で見せるため、写真と説明の情報量が増えます。
ただし、専門型には下限が税込4,400円という制約があります。総合型が税込3,190円から始まるのに対し、グルメ専門型はそこからのスタートです。5,000円の香典への半返しで2,500円程度に収めたい場合は、専門型は選択肢に入りません。価格帯が合う相手にだけ使う、という位置づけになります。
総合型の強みは、相手を選ばずに配れること
香典返しは、同じコースを10人・20人とまとめて送ることが多い返礼です。この条件では、掲載ジャンルが広い総合型が扱いやすくなります。ハーモニックの「和」や「テイク・ユア・チョイス」なら、約2,280点の中に服飾・生活雑貨から食品まで並ぶため、一人暮らしの方にも家族の多い家庭にも同じ冊子を送れます。
一方、送り先が食の好みのはっきりした方に偏っているなら、専門型のほうが喜ばれる可能性が上がります。判断材料は「送り先リストの幅」です。親族中心で年齢層も近いならグルメ専門型、故人の交友関係や職場関係が中心で属性が読めないなら総合型、という切り分けが実務的です。
注意点として、弔事にふさわしくない内容は避けるという原則があります。ハーモニックは、お酒や華やかなデザインは香典返しには不向きと説明しています。グルメ専門型を選ぶ際は、カタログにお酒がどの程度含まれるかを確認しておくと安心です。受け取った側が自分でお酒を選ぶ分には問題になりにくいものの、表紙や特集ページで前面に出ている場合は印象が変わります。
2冊組は、届いたときの見え方が変わる
リンベルの「ののみや(野宮)&アイリスコース」(税込5,500円)や「いづつ(井筒)&ジュピターコース」(税込6,600円)のような2冊組は、雑貨カタログとグルメカタログが同梱され、その中から1点を選ぶ形式です。総点数は約1,110点・約1,160点と、単冊のまつかぜ(松風)コース約630点の倍近くになります。
2冊組の利点は、同じ価格帯でも届いたときの体積と情報量が増えること。弔事の返礼は簡素であることが良しとされる一方、薄い冊子1冊が届くと素っ気なく映ることもあります。とくに親族への返礼で、金額は抑えつつ丁寧さを伝えたい場面で効きます。
デメリットは、選ぶ側の負担が増えることです。2冊を見比べて1点に絞る作業は、カタログギフトに慣れていない方には手間になります。申し込みを先延ばしにして期限切れになるリスクは、点数が多いほど上がる。高齢の方が多い送り先では、点数の多さより申し込みやすさを優先するという判断もあります。
掲載点数の多さは、そのまま満足度にはつながりません。約2,280点の冊子は選ぶ楽しみがある反面、決めきれずに申込ハガキを置いたままにしてしまう方が出ます。一般的なカタログギフトの申込期限は4か月。送り先の年齢層が高い場合は、点数の少ないコースや専門型のほうが、結果として使われる確率は上がります。
掛け紙・表書き・挨拶状で、返礼の印象は決まる
水引は黒白の結び切りが基本、地域によっては黄白を使う
掛け紙の水引は「結び切り」を使います。ほどけない結び方で「一度きりで繰り返さない」という意味を込めるためで、弔事全般に共通する作法です。色は黒白が一般的ですが、関西〜西日本や北陸の一部地域では黄白の結び切りが使われることもあり、地域によって異なる場合があります。本数は5本が基本で、簡略化した3本が用いられることもあります。
仏式では、蓮柄が入った黒白の結び切りを使うこともあります。ただし蓮は仏教のモチーフなので、神式やキリスト教式の返礼には使いません。シャディも神式の香典返しについて、蓮の花が描かれた仏式用は避けるよう案内しています。宗教が混在する送り先では、蓮柄なしの黒白結び切りに統一しておくのが安全です。
実務上の落とし穴は、注文フォームで掛け紙を選ぶときに宗教と地域の2軸を同時に見落とすことです。仏式・関東の相手と神式・関西の相手が同じリストに混ざっている場合、既定値のまま一括注文すると片方に合わない掛け紙が届きます。リストを宗教と地域で先に並べ替えてから注文に進むと、この取り違えは防げます。
表書きは「志」で全国に対応できる
表書きは地域と宗教で複数の選択肢があります。仏式では「志」または「満中陰志」。関西から西日本では「満中陰志」が使われ、中国・四国・九州の瀬戸内海側では「茶の子」が用いられる場合があります。神式・キリスト教式では「偲び草」が一般的で、神式では「今日志」、キリスト教では「召天記念」も使われます。
迷ったときの答えははっきりしています。「志」は宗教・宗派・地域を問わず使える、最も一般的な表書きです。送り先が全国に散っている、あるいは相手の宗派がわからないというケースでは、全件「志」で統一して差し支えありません。地域の慣習に寄せたい相手にだけ「満中陰志」を使う、という運用が現実的です。
もう一つ覚えておきたいのが墨の色。忌明け前は薄墨、四十九日を過ぎてからは濃墨を用いるのが作法です。香典返しは忌明け後に贈るものなので、濃墨が基本になります。通夜・葬儀の場で薄墨を使う習慣と混同して、香典返しの掛け紙まで薄墨にしてしまう例があるため、注文時の指定を確認しておきましょう。
挨拶状は宗教に合わせた奉書を選ぶ
香典返しには、忌明けの報告とお礼を兼ねた挨拶状を添えます。各社が無料で用意しているのはこのためで、シャディは仏式(戒名あり・戒名なし)・神式・天理教式・キリスト教式の奉書を1枚から無料で作成できます。ハーモニックも挨拶状・奉書を無料としています。
選ぶときのポイントは、戒名の有無です。仏式で戒名を授かっている場合、挨拶状に戒名を記載する形式が一般的ですが、家族葬で戒名を用いない場合もあります。注文画面で「戒名あり」を既定値のまま進めると、入力欄が空白のまま印刷されることがあるため、どちらの形式を使うか先に決めてから注文に進みます。
文面を自分の言葉にしたい場合は、リンベルのオリジナル挨拶状(1,100円〜3,300円)のような有料オプションがあります。返礼の金額を3分の1に抑えた相手や、葬儀で特に世話になった方には、この費用を使って個別の一文を添えるという配分もできます。定型文はあくまで失礼のない土台で、気持ちを足す余地は残されています。
贈る時期は宗教で変わる|届いたあとに起きる失敗も防ぐ
仏式は四十九日から1ヶ月以内、浄土真宗は考え方が異なる
仏式の忌明けは、故人の命日から49日後です(35日とする場合もあります)。香典返しは、この忌明け法要後1ヶ月以内に届くよう手配するのが一般的です。四十九日は「七七日」「満中陰法要」とも呼ばれ、関西から西日本で使われる「満中陰志」という表書きはここに由来します。
浄土真宗では考え方が異なり、初七日法要から1ヶ月以内とされています。宗派によって基準となる法要が違うため、菩提寺がある場合は事前に確認しておくと確実です。宗派の作法は地域や寺院によって異なる場合があるので、一般論を当てはめるより1回聞くほうが早く済みます。
手配のスケジュールとしては、四十九日法要の2〜3週間前から準備を始めると余裕が生まれます。芳名帳の集計、当日返しの照合、コースの決定、掛け紙と挨拶状の指定、送り先リストの作成と、工程が多いためです。法要が終わってから動き出すと、1ヶ月以内という目安に追われることになります。
神式は五十日祭、キリスト教式は30日または1ヶ月が目安
神式では、故人の命日から50日目に行われる五十日祭が忌明けにあたり、その後1ヶ月以内に返礼を贈ります。五十日祭は仏式の四十九日法要に相当する霊祭で、参列者への引き出物を用意するのが一般的です。表書きは「偲び草」、迷う場合は「志」でも差し支えありません。
キリスト教式には本来、忌明けや香典返しの習慣がありません。ただし実務では、カトリックは故人の命日から30日目の追悼ミサ後1ヶ月以内、プロテスタントは命日から1ヶ月後の召天記念日後1ヶ月以内に返礼を贈る形が定着しています。掛け紙はのしを付けず、黒白の結び切りに「志」「偲び草」「感謝」などと表書きすることが多いとされています。
カタログギフト各社は、こうした宗教別の挨拶状を標準で用意しています。シャディのように天理教式まで選べる会社もあるので、宗派がはっきりしている場合は、注文前に対応の有無を確認しておくと手戻りがありません。宗教や宗派の作法は地域によっても違いがあるため、親族間で認識をそろえておくことも大切です。
忌明けの基準日は宗教・宗派で変わります。仏式は命日から49日後(35日とする場合もあり)、神式は50日目の五十日祭、カトリックは30日目の追悼ミサ、プロテスタントは1ヶ月後の召天記念日が目安です。いずれもその後1ヶ月以内に届くよう手配します。地域や宗派によって異なる場合があるため、菩提寺や親族に確認してから発送日を決めましょう。
申込期限4か月を過ぎると、せっかくの返礼が無駄になる
カタログギフトでもっとも避けたい失敗が、受け取った方が申し込まないまま期限を過ぎてしまうことです。一般的なカタログギフトの申込期限は4か月間で設定されており、ハーモニックの公式オンラインショップで購入した場合も、申込期限は商品発送日から4か月間です。原則として期限を過ぎると商品の申し込みはできません。
原因は、受け取る側が「あとでゆっくり選ぼう」と冊子を置いてしまうことにあります。弔事の返礼は、受け取った側も気持ちの整理がついていない時期に届くため、後回しにされやすい。リンベルも、申込ハガキに記載された有効期限が切れた場合は原則として申し込みできないとしています。期限はカタログの表紙や注文ハガキ、注文用紙に明記されています。
対策は2つあります。1つは、高齢の方が多い送り先では、掲載点数を絞ったコースや、はがき1枚で申し込める形式を選ぶこと。もう1つは、四十九日から2〜3ヶ月後に連絡を取る機会があれば、一言添えること。催促ではなく「期限があるようなのでお気をつけください」という伝え方であれば角が立ちません。期限切れに気づいた場合は、発行元のカスタマーサービスに相談する道も残されています。

避けたい品目は、カタログの中身にも当てはまる
香典返しでは、鰹節や昆布は慶事の縁起物であるため弔事には不向きとされ、商品券や金券は返した金額がそのままわかるため目上の方への単体贈付は避けられる傾向があります。四十九日の期間は精進料理を食べる風習があることから、四本足の動物の肉や魚も避けられる傾向にあります。お酒は神事や慶事に使われるものとされ、香典返しには不向きと説明されています。
カタログギフトを選ぶときは、これらが冊子の中でどう扱われているかを見ておくと安心です。受け取った側が自分の意思で肉やお酒を選ぶ分には問題になりにくい一方、贈る側が「お酒特集」を前面に出したカタログを選ぶと、意図が伝わらないことがあります。弔事専用カタログが用意されているのは、こうした構成の違いがあるためです。
リンベルの「バリューチョイス」のように商品券・ギフトカードが選べるシリーズも、同じ観点で判断します。受け取る側にとっては便利な選択肢ですが、返礼に金券を含めること自体を好まない相手もいます。送り先に目上の方や年配の親族が多いなら、弔事専用カタログを選んだほうが無難です。判断に迷う相手が1人でもいるなら、全員を弔事専用でそろえるほうが説明もしやすくなります。
まとめ:香典返しのカタログギフトは、香典額から逆算して1コースに決める
香典返しの手配でいちばん時間を取られるのは、コース選びそのものではなく、その前段にある集計作業です。芳名帳といただいた香典の金額、当日返しを渡した方のリストを一度に並べて、「5,000円の方」「1万円の方」「それ以上の方」の3グループに仕分けてください。ここまで終われば、あとは税込3,190円・5,390円・11,990円といった帯に当てはめるだけで、判断が止まる場面はほとんどなくなります。弔事専用のカタログを選び、掛け紙と挨拶状を宗教に合わせて指定すれば、返礼としての形は整います。最初の一歩は、コースを見比べることではなく、香典の金額を集計表に書き出すことです。
※コース名・価格・掲載点数は各社公式サイトの現行表記にもとづいています。改定されることがあるため、注文前にハーモニック公式サイト、リンベル公式サイト、シャディ ギフトモールで最新情報をご確認ください。

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