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披露宴の終盤、ご両親の前に立って品物を手渡す——あの数分のために、何を、いくらで用意すればいいのか。結婚式の親へのプレゼントは、引出物やプチギフトと違って「これが定番」という型が決まっていません。花束だけでいいのか、形に残るものを添えるべきか、両家で揃える必要があるのか。決めることが多いわりに、準備を始めるのが式の直前になりがちな項目でもあります。
結論から言うと、贈呈そのものを行う人は9割近くに達していて、やらない選択のほうが少数派です。そして中身は花束だけにとどまらず、花束以外の品を添える形が披露宴の演出として定着しています。金額は平均で3.5万円ですが、この平均値は「2万円台の山」と「3万円台の山」が重なってできたもので、平均そのものを目標にすると予算の見通しを誤ります。
この記事では、リクルートブライダル総研の調査データを起点に、実施率・中身・金額・手配時期を数字で押さえたうえで、渡すタイミングの選び方、定番ジャンルの価格と納期、のしや両家バランスの作法までを順に整理します。ギフトカウンターで相談を受けるつもりで、迷いやすい分岐点をひとつずつ潰していきます。
この記事でわかること
・親へのギフト・花束贈呈を行った人の割合と、中身の内訳(花束54.5%・手紙31.7%ほか)
・平均3.5万円の内訳と、予算がふくらむ二つの隠れコスト
・披露宴・挙式・控室という三つの渡すタイミングの選び分け
・カタログギフト、三連時計、体重ベア、名入れ品の価格と納期の実数
・のし・ラッピングの要否と、両家でそろえるかどうかの決め方
結婚式の親へのプレゼントは88.5%が贈っている

まず全体像を数字で押さえます。以下はすべて、株式会社リクルートのリクルートブライダル総研が公表しているゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏の数値です。
「やらない」は1割弱、迷う前に前提が決まっている
親へのギフト・花束贈呈を行った人は88.5%、行わなかった人は9.4%でした(全体n=417)。つまり、やるかやらないかで悩む段階の人は、統計上すでに少数派の側に立っています。2023年調査では92.3%、2022年調査では91.0%ですから、9割前後で安定している定番の演出と考えてよい項目です。
この高い実施率は、会場側の進行台本にあらかじめ贈呈シーンが組み込まれていることと無関係ではありません。プランナーとの打ち合わせで「花束贈呈はどうしますか」と聞かれる形で話が始まるため、能動的に決めなくても実施に流れやすい構造になっています。裏を返すと、内容や予算を自分たちで詰めないまま当日を迎えると、会場提携の花束をそのまま発注して終わる、という展開になりがちです。
注意点として、この数字は披露宴・ウエディングパーティーを実施した人を多く含む調査全体の値です。フォトウエディングや挙式のみのスタイルを選んだ場合は前提が変わります。演出の場がなければ贈呈シーンも成立しないので、9割という数字を「やらないと非常識」と受け取る必要はありません。
中身の1位は花束54.5%、ただし年々下がっている
贈呈を行った人(n=369・複数回答)に中身を聞くと、花束54.5%、手紙31.7%、写真17.3%、ぬいぐるみ15.4%、食べ物11.4%、時計7.0%、食器5.1%、花束以外の植物4.6%、似顔絵など絵画のイラスト2.7%、ポエム0.5%、その他36.6%という内訳でした。
目を引くのは花束の推移です。2023年調査では58.9%だったものが54.5%へ下がっています。一方で手紙は27.5%から31.7%へ、写真は14.9%から17.3%へ伸びました。花束一本から、手紙や写真といった「その家族にしかない中身」へ比重が移っている流れが読み取れます。「その他」が36.6%と大きいのも、定番の枠に収まらない品が選ばれている証拠です。
選ぶ側として押さえておきたいのは、この表が複数回答だという点です。花束と手紙、花束と写真のように組み合わせて贈るのが実態であり、「花束か、記念品か」の二者択一ではありません。予算を考えるときも、単品ではなく組み合わせの合計で見る必要があります。
披露宴の演出としては「花束以外の贈呈」が上位に入る
披露宴・ウエディングパーティー実施者(n=394・複数回答)に実施した演出を聞いた設問では、「親に花束以外のものを贈呈する」が67.3%で、生い立ち紹介などの映像演出68.8%に次ぐ2番目の高さでした。「親に花束を贈呈する」は51.5%です。花束より、花束以外の品を渡す人のほうが多いという逆転が起きています。
関連する演出も並べておくと、花嫁の手紙を読むが65.2%、入退場の際に親・親族・知人にエスコートしてもらうが54.3%、親にサプライズ演出を行うが45.9%、両家の親が招待客へ謝辞スピーチをするが38.3%。披露宴の終盤は親が主役になる時間帯が連続しており、贈呈はその流れの一部として設計されています。
この構造を理解しておくと、品物選びの基準が変わります。単体で豪華なものより、手紙や映像と並んだときに流れを壊さないもの——渡す動作が短く、掲げたときに客席から見えるサイズ——のほうが進行になじみます。箱を開けないと中身がわからない品は、この時間帯ではやや不利になります。
挙式中に渡す人は22.1%にとどまる
同じ調査の挙式に関する設問(挙式実施者n=402・複数回答)では、「親に花束以外のものを贈呈する」が22.1%、「親に花束を贈呈する」が17.4%でした。披露宴の67.3%・51.5%と比べると、挙式中の贈呈はかなり限定的です。
理由は進行の性質にあります。挙式で親が関わる演出としては、親からベールダウンをしてもらうが73.6%、親からのジャケットセレモニーが32.3%と高く、こちらは「親が新郎新婦に何かをする」形です。贈呈は逆方向のやりとりなので、儀式の流れに差し込みにくい。人前式などで比較的自由に組める会場では取り入れられますが、教会式・神前式では式次第が決まっていて枠がないケースもあります。
挙式中に渡したい場合は、可否を会場に確認するところから始めてください。デメリットとして、挙式は写真・映像の撮影位置が固定されていることが多く、贈呈の瞬間が思った角度で残らない可能性があります。記録に残したいなら、カメラの動きが自由な披露宴側に置くほうが確実です。
花束以外に何を選ぶかの具体例は、ジャンルごとに掘り下げた記事も参考にしてください。

結婚式の準備がひととおり片づいたころ、最後まで残りやすいのが親へのプレゼントです。花束にするのか、形に残る記念品にするのか、予算はいくらが妥当なのか。相手が自分…
平均3.5万円の正体は、重なり合った二つの山
金額の話に進みます。ここでの数字は、贈呈を行った人のうち金額を回答した318人の分布です。
平均値だけ見ると予算を外す
親へのギフト・花束の平均額は3.5万円でした。ところが分布を見ると、最も多いのは3万円以上3万5千円未満の17.0%で、ほぼ並んで2万円以上2万5千円未満が16.7%。さらに1万円以上1万5千円未満が13.5%、5万円以上5万5千円未満が11.3%と続きます。8万円以上も6.9%あり、費用はかかっていないという回答は0.9%でした。
つまり「2万円台前半」と「3万円台前半」という二つの山があり、その中間と上振れを平均するとちょうど3.5万円になる、という構造です。平均値の3.5万円を目標額にすると、実際には多数派のどちらの山にも属さない中途半端な予算になります。2023年調査の平均は4.0万円、2022年調査は3.6万円と年によって揺れるので、平均そのものの安定性もそれほど高くありません。
予算を決めるときは、平均ではなく「どちらの山に乗るか」を先に決めてください。花束だけ、または花束に小さな品を添える構成なら2万円台前半の山。記念品として形に残るものを選ぶなら3万円台前半の山。この判断を先にすると、候補商品の価格帯が自動的に絞れます。
手配先によって費用の中身が変わる
依頼先は、会場の専属または提携事業者が49.1%、外部の事業者が42.8%、手作りしたが19.0%、友人・知人・親族からのプレゼント・手作りが1.1%でした(複数回答)。会場経由と外部手配がほぼ拮抗しています。
この二つは、同じ金額でも中身が違います。会場経由は進行との連携・当日の保管・搬入がすべて料金に含まれ、花束なら式の直前まで鮮度が管理されます。外部手配は同じ予算でより大きな品や凝った仕様を選べますが、配送先・保管場所・当日の受け渡しを自分で手配する必要があります。外部のほうが割安に見えるのは、この手間ぶんが価格に入っていないからです。
手作りが19.0%と一定数あるのも特徴で、アルバムやメッセージボードなど、費用より時間を投じる選択です。ただし当日までに完成させる保証が自分たちにしかないので、準備期間が短い場合は向きません。
失敗パターン①:持ち込み料と送料を予算に入れていない
予算超過の原因として起きやすいのが、品物の価格しか見ていないケースです。外部で用意した品を会場に持ち込む場合、会場によっては持ち込み料が発生します。花束は特に持ち込み規定が厳しく、提携の花屋以外を使うと料金が上乗せされる、あるいは持ち込み自体ができないこともあります。
通販で手配する品も同様で、体験ギフトのように送料やシステム料が本体価格と別建てになっている商品があります。たとえばソウ・エクスペリエンスの体験ギフトは、送料605円とシステム料880円が本体とは別の項目として設定されています。1万円台の品を2セット用意すると、この差だけで数千円動きます。
対策は単純で、見積もりを「品物+持ち込み料+送料+ラッピング+当日の運搬」の5項目で作ることです。特に持ち込み料は契約前に確認しておくと選択肢が広がります。会場との契約後に外部品を決めてしまうと、持ち込み不可の一言で予算も計画も組み直しになります。
外部で用意する前に、①会場の持ち込み可否と持ち込み料、②当日の預け先と保管条件(冷蔵が要る花は特に)、③披露宴後に誰がどうやって持ち帰るか、の3点を会場に確認してください。この3点が決まっていないと、品物が良くても当日の段取りで破綻します。
渡すタイミングは大きく三つに分かれる

何を贈るかと同じくらい、いつ渡すかが満足度を左右します。選択肢は披露宴の終盤、挙式の途中、そして演出にしない形の三つです。
披露宴の終盤——手紙と並べて組む王道
最も多いのが披露宴の終盤です。花嫁の手紙を読むが65.2%、親に花束以外のものを贈呈するが67.3%という数字が示すとおり、手紙の朗読からそのまま贈呈へ移る流れが一般的な構成になっています。招待客全員が着席している時間帯なので、演出としての見せ場をつくりやすいのが利点です。
この位置に置く場合、品物は「両手で持てて、掲げたときに形がわかるもの」が扱いやすくなります。花束、額装された写真、三連時計のように面で見えるものは客席からも認識されます。逆に、封筒や小箱に入った品は渡す動作が地味になるため、司会者に中身を一言紹介してもらう段取りを組んでおくと伝わり方が変わります。
デメリットは時間の制約です。両家ぶんで2セット、新郎新婦それぞれが渡すとなると、動作だけで数分かかります。ここに手紙の朗読と謝辞が続くため、進行が押している場合は贈呈を短縮される可能性があります。品数を増やしすぎないことが、この位置を選ぶときの前提になります。
挙式の途中——実施率22.1%の少数派ルート
挙式中の贈呈は、花束以外で22.1%、花束で17.4%。人前式やレストランウエディングのように式次第を自由に組める形式で採用されます。親からベールダウンをしてもらう73.6%という流れに続けて、新郎新婦から返す形にすると自然につながります。
この位置の利点は、招待客が少なく親族中心の挙式で、家族のやりとりとして落ち着いて渡せることです。披露宴を行わない、あるいは会食のみというスタイルでも成立します。
注意点は二つ。ひとつは会場側の可否で、教会式・神前式では式次第が定まっていて組み込めないことがあります。もうひとつは衣装です。挙式の衣装はグローブやベールで手元の自由が利かない場合があり、大きな品や重い品は扱いにくくなります。挙式中に渡すなら、軽くて片手で持てるサイズに寄せるのが現実的です。
控室や後日に渡す——演出にしないという選択
演出として組まず、挙式前の控室や披露宴後、あるいは後日の食事の席で渡す形もあります。実施率のデータは演出としての集計なので、この形は9.4%の「行わなかった」に含まれている可能性があります。
この選び方が向くのは、品物が大きい・重い・割れやすい場合です。食器や家電のように箱が大きいものは、演出として掲げるのに向きません。また、親が人前で注目されるのを好まない場合も、控室で渡すほうが気持ちが伝わります。カタログギフトや体験ギフトのように、後で中身を選んでもらう品も、落ち着いて説明できる場のほうが適しています。
妥協点は、招待客の前で感謝を示す場面がなくなることです。気にする場合は、披露宴では花束だけを渡し、本命の品は控室や後日に分けるという二段構えにすると両立します。
| 重視したいこと | 渡すタイミングと構成 | 向く品の条件 |
|---|---|---|
| 招待客に感謝を見せたい | 披露宴の終盤、花嫁の手紙に続けて | 両手で持てて、掲げると形がわかる |
| 家族だけで静かに渡したい | 挙式の途中、または挙式前の控室 | 軽く、片手でも扱えるサイズ |
| 実用性の高い品を贈りたい | 披露宴で花束、本命は後日に分ける | 箱が大きい、割れ物、要冷蔵でも可 |
| 中身は親に選んでほしい | 控室か後日、説明できる場で | カタログギフト・体験ギフト |
定番ジャンルを価格と納期の実数で並べる
ここからは具体的な選択肢です。価格はすべて各社公式サイトの公表値(税込)で、納期も公式の記載に基づきます。
カタログギフトと体験ギフト——中身を親に選んでもらう
好みが読めないときに機能するのがカタログ型です。リンベルのブライダルカタログギフトは全13コース3,190~110,990円で、ウェインが3,190円(約520点)、ヒアデスが4,290円(約840点)、オリオンが4,840円(約700点)。親への贈呈で選ばれやすい上位帯では、ギャラクシー&アポロが23,100円(約420点)、ルミナリィ&ビアンカが28,600円、クェーサー&マーキュリーが34,100円です。
体験を贈るなら選択肢は二つ。リンベルの選べる体験ギフトは、宿泊券がとっておきの宿33,990円(249施設)、おもてなしの宿55,990円(195施設)、厳選の宿110,990円(108施設)。食事券は食に寛ぐひととき22,990円(233施設)、食を讃えるひととき33,990円(236施設)です。ソウ・エクスペリエンスは温泉&スパギフトが11,880円(8体験・43コース、14都府県対応)、水辺のレストランギフトが17,380円、レストランギフト(RED)が23,100円、こんなところに泊まれるギフトが34,650円、海辺の温泉旅ギフトが66,550円です。
注意点は有効期限です。ソウ・エクスペリエンスの体験ギフトは有効期間が発送日から起算して6カ月間で、予約は体験期限の2週間前まで、期限の延長はできません。結婚式の前に購入して当日渡すと、その時点で残り期間が削られています。親の予定が詰まっている場合は、式の直前に取り寄せるか、期限の長い商品を選ぶほうが安全です。
中身を親自身に選んでもらいたいなら、14都府県から日帰り温泉を選べるこの一冊▼
カタログギフト全体の選び方は、引出物向けの比較記事でコース構成を細かく解説しています。

招待状の発送が終わったあたりで、多くの新郎新婦が同じ壁にぶつかります。「引き出物は結局カタログギフトでいいのか」「金額はいくらに設定すれば失礼にならないのか」。…
三連時計——両家と新郎新婦が同じ木でつながる
形に残る記念品として定着しているのが三連時計です。1本の木から3つの時計をつくり、中央が新郎新婦用、両脇が両家の親用という構成で、木目が3つにまたがってつながります。両家に同じものを渡せるので、バランスで悩まずに済むのが利点です。
木の暮らしの公式ラインナップでは、Simpleが19,800円、BASICとKANAが39,600円から、HOEKとMoonとColorfulが45,100円、Fleur mimiが46,200円、Tegamiが52,800円、Fleurが55,000円から、Photo FrameとBEAMS DESIGNが59,400円から、Crystalが103,400円から。裏面への文字入れオプションは時計1個あたり1,100円です。中央ぶんも含めて3個に文字を入れれば、その合計が上乗せになります。
デメリットは置き場所の競合です。親世代の家にはすでに掛け時計や置き時計があることが多く、後述する「重複」の問題が最も起きやすいジャンルでもあります。壁に掛けるか棚に置くかを事前に想像できる相手でないと、飾られずにしまわれる可能性があります。納期は最短2日後発送のオプションがありますが、文字入れやシリーズによって変わるため、余裕を持った発注が前提です。
体重ベア——生まれた重さをそのまま形にする
ぬいぐるみが中身の15.4%を占める背景にあるのが体重ベアです。生まれたときの体重と同じ重さでつくるぬいぐるみで、抱いた瞬間に当時の重さが手に戻る、という体験そのものが贈り物になります。
ウェイトベアランドの公式価格では、マロン体重ベアが16,280円、メープル体重ベアが17,380円、ステラ体重ベアとフルール体重ベアが18,480円、ファミーユ体重ベアが19,580円。キャラクター型はスヌーピー ウェイトドール ベーシックが26,400円、くまのプーさん ウェイトドールが27,500円、ベビーミッキー ウェイトドール フォーマルが28,600円です。体重ベアの相場は15,000~20,000円程度とされ、対応できる重さの幅は150g~750gでつくれるものから4000g以上でつくれるものまであります。
注意点は二つあります。ひとつは母子手帳などで出生体重を正確に確認する必要があること。もうひとつは納期で、一般的には2週間程度、特急対応で1週間かからない商品もありますが、繁忙期は前後します。また、ぬいぐるみを飾る習慣がない家庭だと扱いに困られる場合があるので、親の好みが読めないときは無難とは言い切れません。
名入れのグラスと酒——日付と名前を刻む
実用と記念性を両立させるのが名入れ品です。四季彩の名入れワイングラスG-1は彫刻代込みで1個3,900円。容量240cc、口径64mm、高さ165mmで、側面中央付近に縦40mm×横50mm以内で彫刻でき、日本語で約20文字、英数字で約45文字が入ります。ペアで買っても、それぞれに別の名前やメッセージを入れて追加料金はかかりません。納期は図案決定後7営業日以内の発送です。
お酒なら、幻の酒の名入れ純米大吟醸 真紅 1800mlが18,000円。金箔入り・桐箱入り・風呂敷包装で、新郎新婦の誕生日などを選べる記念日新聞が付きます。瓶は赤・紫・黄・緑の4色から選べ、納期は注文から2~4日程度です。
選ぶ前に確認したいのが飲酒の有無です。健康上の事情や好みでお酒を飲まない親に一升瓶を贈ると、飾るしかない置物になります。グラスも同様で、普段使いの食器が決まっている家庭では棚の肥やしになりがちです。名入れ品は「返品も転用もできない」という性質があるため、相手の生活習慣を確認できている場合に限って強い選択肢になります。
名入れの彫刻代や納期の考え方は、グラス単体の記事でさらに細かく整理しています。

名入れグラスを探し始めると、価格の幅にまず戸惑います。3,000円台で買えるものもあれば、29,700円の江戸切子まで並んでいて、しかも同じ商品なのにショップに…
| ジャンル | 価格の起点 | 納期の目安 | 向かない相手 |
|---|---|---|---|
| カタログギフト | ウェイン3,190円 | 在庫品のため短い | 申込の手続きを負担に感じる人 |
| 体験ギフト | 温泉&スパギフト11,880円 | 在庫品/有効期間6カ月 | 外出や遠出が難しい人 |
| 三連時計 | Simple19,800円 | 最短2日後発送の設定あり | 時計がすでに足りている家 |
| 体重ベア | マロン体重ベア16,280円 | 2週間程度 | ぬいぐるみを飾らない家 |
| 名入れグラス | G-1が1個3,900円 | 図案決定後7営業日以内 | 食器の定位置が決まっている家 |
| 名入れの酒 | 真紅1800mlが18,000円 | 注文から2~4日程度 | お酒を飲まない人 |
贈り物の教科書調べ(各社公式サイトの公表値をもとに作成。価格は税込)
「実用的」34.1%が示す、使われる品と飾られない品の境目
調査では、選ぶ際に何を重視したかも聞かれています。ここに、品物選びで外さないためのヒントが詰まっています。
重視点の1位は感謝、2位は実用性
贈呈を行った人(n=369・複数回答)の重視点は、感謝の気持ちを表すことができる品であることが51.2%、実用的であることが34.1%、好き嫌いが分かれない無難な品であることが30.4%、費用が手頃であることが26.3%、自分たちのセンスや個性を表現できることが23.3%、親と新郎新婦との思い出になる品であることが17.9%、自分たちが手作りできることが10.6%と続きます。高級感があることは4.6%、有名ブランドであることは0.3%にとどまりました。
ここから読めるのは、ブランド価値や価格の高さはほとんど評価軸になっていない、ということです。0.3%という数字は、有名ブランドであることを理由に選ぶ人がほぼいないことを示しています。一方で実用性34.1%と無難さ30.4%を合わせると、「日常で使える、外さない品」という方向を重視する層が厚いことがわかります。
この結果は選び方に直結します。予算を上げてブランド品に寄せるより、同じ予算で相手の生活に入り込む品を探すほうが、調査に現れた多数派の判断基準に沿っています。感謝を表す51.2%という1位は、品物そのものより、手紙や言葉を添えるかどうかで満たされる部分が大きい項目です。
実は、品物より「置き場所」で結果が分かれる
意外と知られていないのですが、親へのプレゼントの満足度は、品物のグレードよりも「家のどこに置けるか」で決まる側面があります。親世代の家は、すでに家具も置物も配置が固まっていることが多い。そこに新しい記念品が来ると、既存のものをどかすか、しまうかの二択になります。
時計が典型例です。内容の設問で時計は7.0%と数字上は控えめですが、三連時計のような贈呈品専用の商品が広く流通しているジャンルでもあります。リビングにすでに掛け時計がある家に、もう一つ時計が届く——この重複が起きると、せっかくの記念品が箱のまましまわれます。
対策は、贈る前に親の家を思い出すことです。玄関、リビングの壁、食器棚、寝室のサイドボード。どこに置いてもらうつもりかを一つ決めてから商品を選ぶと、サイズも仕様も自動的に絞れます。置き場所が思い浮かばないなら、場所を取らないカタログギフトや体験ギフト、あるいは消費できる品に寄せるほうが結果は良くなります。
失敗パターン②:持ち帰りのサイズと重さを見落とす
もう一つ起きやすいのが、当日の持ち帰りの問題です。披露宴の後、親は引出物や親族からの荷物、着替え、自分たちの手荷物を抱えて会場を出ます。そこに大きな箱や重い品が加わると、タクシーに積めない、電車で持てない、という事態になります。
特に注意したいのが、花束と記念品の同時渡しです。大きな花束はそれだけで両手がふさがり、さらに箱を持つと移動できません。花束を大きくするなら記念品はコンパクトに、記念品を大きくするなら花束は小ぶりに——どちらかに寄せるのが現実的です。
対策は三つ。ひとつは、記念品を後日配送にして当日は花束だけ渡す方法。ふたつめは、会場に紙袋や手提げを用意してもらい、持ち帰りやすい形にまとめてもらう方法。三つめは、遠方から来る親には宅配で自宅に送る手配を先にしておく方法です。どれも事前に会場へ伝えておけば対応してもらえることが多く、当日に慌てずに済みます。
品物で迷ったときの優先順位は、①置き場所が具体的に思い浮かぶか、②当日その場から持ち帰れるか、③手紙や言葉を添えられるか、の3つです。調査で重視点の1位だった「感謝の気持ちを表すことができる品」は、品物の価格ではなく、この3つ目でほぼ満たせます。
のし・両家バランス・避けたい品目の作法
最後に作法の話です。贈答マナーは地域や家の考え方で幅があるため、ここでは一般的な考え方と、確認すべきポイントを分けて整理します。
のしは不要が基本、付けるなら紅白の結び切り
両親贈呈品にのしやラッピングは必要か——一般的には不要とされています。披露宴で新郎新婦から直接手渡し、招待客にも見てもらう品なので、包まずにそのまま渡すことが前提の演出だからです。ギフト専門店でも、贈呈品は包装を省いて出荷する扱いが標準になっています。
ただし、家電やカタログギフトのように箱から出しにくい品は、ラッピングを付けたほうが見栄えがします。のしを付ける場合の書き方としては、紅白(金銀)10本の結び切りの水引に、上段に「寿」、下段に新郎新婦の名前を書く形が案内されています。10本の結び切りは、結婚のように繰り返さないお祝いに使う水引です。
ここで留意したいのは、水引の本数や表書きの扱いには地域差・家ごとの慣習差があるという点です。親世代や祖父母世代がしきたりを重んじる家であれば、包装の要否を含めて事前に親本人に聞いておくほうが確実です。マナーとして一つの正解があるわけではありません。
結び切り=一度結ぶとほどきにくい結び方の水引。「繰り返さない」という意味を持つため、結婚に関する贈り物に使われます。対して蝶結び(花結び)は何度でも結び直せることから、出産や進学など繰り返してよいお祝いに使う形です。結婚祝いでは本数10本のものが用いられることが多いですが、地域や家の習慣によって扱いが異なる場合があります。
一般に避けられる傾向のある品目
慶事の贈り物として、避けられる傾向があるとされる品目がいくつかあります。ギフト専門店の案内では、刃物(縁が切れることを連想させる)、日本茶(お悔やみの場面で使われることがある)、櫛(「苦」「死」の語感から)、ハンカチ(手巾=「手切れ」と読めることから)が挙げられています。
ただし、これらを「失礼にあたる」と断定するのは行き過ぎです。近年はペアのナイフセットや上質な日本茶が贈り物として普通に流通していますし、意味づけを気にしない家庭も増えています。ここでの判断基準は、贈る相手がその語呂合わせを気にするタイプかどうか、その一点に尽きます。
実務的な落としどころとしては、親世代が気にする可能性を考えて避けるか、どうしても贈りたい場合は由来を説明できるようにしておくか。ハンカチなら「涙をぬぐうためのもの」と意味を添えて渡す形も成立します。語呂合わせのタブーは、地域や世代によって受け止め方が大きく異なります。
両家でそろえるか、変えてよいか
両家への贈呈品は、同じものをそろえるのが基本です。理由は明快で、新郎側と新婦側で明らかに価格やボリュームが違うと、招待客の目にも差として映るからです。花束であれば本数・ボリューム・ラッピングを、記念品であれば同じ商品の同じグレードを用意するのが無難な運用になります。
一方で、中身を変えてよい場面もあります。片方の親がお酒を飲まない、片方の家に飾るスペースがないといった事情がある場合は、無理にそろえるより実情に合わせるほうが喜ばれます。その場合でも、予算はおおむね同じ水準にそろえておくと差が出にくくなります。
両家で相談するタイミングも押さえておきたいところです。品物の方向性は新郎新婦だけで決められますが、しきたり品を添える慣習がある地域では親世代の意向が入ります。決めてから相談すると変更が効かないので、候補を絞る前に一度話を通しておくと手戻りがありません。
親から「気を遣わなくていい」と言われたとき
準備を進めていると、親側から「そんなものはいらない」と言われることがあります。費用を心配している場合と、人前で注目されるのが苦手な場合とで、対応が変わります。
費用を気にしているなら、金額を抑えた構成にして続行するのが自然です。調査でも費用が手頃であることを重視した人が26.3%いて、高額であることが条件になっていないのは数字が示すとおりです。自分たちが手作りできることを重視した人も10.6%いて、手作りしたという回答は19.0%ありました。費用をかけない形は珍しくありません。
人前が苦手な場合は、披露宴の演出から外し、控室や後日に渡す形へ切り替えます。贈呈をしなかった人が9.4%いることを思い出してください。演出として成立させることが目的ではないので、親が居心地よく受け取れる形を優先して問題ありません。
結婚式の親へのプレゼントを納期から逆算して決める
最後に、準備の進め方を時系列で組み立てます。ここを外すと、選択肢が納期だけで決まってしまいます。
最終ラインは1カ月前、名入れはさらに前倒し
ゼクシィの当日ギフト解説では、親への贈呈ギフトは1カ月前には品物を決めて手配すると案内されています。引出物が6~3カ月前から探し始めて2~1カ月前に決定、プチギフトが2カ月前に演出決定と並行して1カ月前までに注文、という流れの中での位置づけです。
ただし1カ月前というのは「在庫品を注文する場合」の目安と考えてください。受注生産の品はここに製作期間が乗ります。体重ベアは一般的に2週間程度、名入れワイングラスは図案決定後7営業日以内の発送、三連時計は最短2日後発送のオプションがある一方でシリーズによって差があります。図案の確認・修正のやりとりが入る名入れ品は、注文してから図案が決まるまでにも数日かかるのが普通です。
現実的な逆算は、式の2カ月前に候補を3つに絞り、1.5カ月前に発注、1カ月前に手元に届いた状態をつくる、という組み方です。手元にあれば、破損や刻印の誤りが見つかっても作り直す時間が残ります。名入れ品は誤字が出ても交換できないケースがあるので、この余白が効きます。
当日までに確定させておく三つのこと
品物が決まったら、当日の運用を詰めます。確認すべきは、搬入・保管・持ち帰りの三つです。
搬入は、会場へいつ誰が届けるか。自宅から当日持参するのか、事前に配送するのかで、会場側の受け取り可能日が変わります。保管は、届いた品をどこに置いてもらうか。花や生ものは温度管理が必要で、会場によっては預かれる条件が決まっています。持ち帰りは、披露宴後に誰がどうやって運ぶか。親が遠方なら宅配手配まで含めて決めておきます。
加えて、進行のリハーサルも押さえておきたい項目です。誰がどちらの親に渡すのか、両家のどちらが先か、品物をどのタイミングで司会者やスタッフから受け取るのか。ここが曖昧だと、当日に段取りが崩れます。会場のリハーサルは挙式の流れが中心になりがちなので、贈呈の動線は別途プランナーに確認しておくと安心です。
手紙を添えるかどうかで伝わり方が変わる
調査で中身の2位に入っていたのが手紙で31.7%、2023年調査の27.5%から伸びています。品物だけを渡すより、言葉を添えるほうが重視点1位の「感謝の気持ちを表すことができる品」という基準を満たしやすくなります。
花嫁の手紙を読むという演出が披露宴で65.2%実施されているとおり、朗読の形をとるのが一般的です。ただし人前で読むのが苦手なら、朗読せずに手紙を品物に添えて渡す形でも成立します。読み上げないぶん、内容を具体的に書けるという利点もあります。
新郎側から手紙を書くケースも増えていますが、こちらは朗読せずに渡す形が多く選ばれます。両家で形式をそろえる必要はありません。それぞれが書きやすい形で用意し、渡す動作だけを合わせれば、進行としては問題なく成立します。
名入れ品を注文する前に、刻印する漢字・日付・ローマ字表記を紙に書き出して両家で確認してください。旧字体の姓、結婚記念日にする日付(入籍日か挙式日か)、ローマ字のつづりは、注文後に直せない項目です。図案の校正データが届いたら、家族の目でもう一度見てもらうと見落としが減ります。
まとめ
最初の一歩としておすすめしたいのは、商品を探す前に「どこに置いてもらうか」を一つ決めてしまうことです。リビングの壁、食器棚、玄関の靴箱の上——場所が決まれば、サイズと仕様が絞れて、候補は一気に扱いやすい数になります。そのうえで会場に持ち込みの可否を確認すれば、選べる範囲が確定します。置き場所が思い浮かばないなら、形を残さないカタログギフトや体験ギフトに切り替えるのが現実的な判断です。
なお、贈答マナーの細部は地域や家の慣習、宗派によって異なる場合があります。価格・納期・有効期限は改定されることがあるため、購入前に各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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