招待客リストを前にして、引き出物にいくらかければいいのか決めきれない——結婚式の準備で最初につまずくのがこの金額です。会場のプランナーからは「一般的には5,000円くらいです」と言われ、ネットを見れば「4,000円〜7,000円」と幅のある数字が並び、親からは「うちの地元はもっと包む」と言われる。基準がバラバラなまま決めると、あとから増減できないぶんだけ後悔が残ります。
結論から書きます。判断の軸になるのは、リクルートが毎年実施しているゼクシィ結婚トレンド調査の実測値です。2024年調査(全国推計値)では、引出物・引菓子・縁起物を合わせた一人当たりのギフト費用の平均は6,000円、メインの引出物だけなら平均6,300円でした。この2つの数字を出発点にして、ご祝儀額と地域の慣習で上下させる——これが迷わない決め方です。
この記事では、平均値の内訳と価格分布、ご祝儀別の予算の組み方、地域で倍以上ちがう実態、カタログギフトを使うときの実額、そして持ち込み料などの見落としやすいコストまで、公表データと公式価格だけで組み立てて解説します。
・引き出物の相場を「メイン」「引菓子」「合計」の3つの数字で押さえる方法
・ご祝儀30,000円・42,000円・74,000円のゲスト別に予算を逆算する手順
・北海道2,600円と四国7,700円、地域差をどう扱うか
・カタログギフトのシステム料と持ち込み料という隠れコストの正体
引き出物の相場は一人6,300円|最初に押さえる3つの数字

金額を決める前に、平均値が何を指しているのかを整理しておきます。引き出物の話がかみ合わなくなる原因のほとんどは、「メインだけの金額」と「3品合計の金額」を混ぜて話していることにあります。
メインの引出物は平均6,300円、いちばん多いのは3,000円台
ゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値では、一人当たりの引出物(メインの記念品)の平均は6,300円でした。ただし平均だけを見て6,300円のカタログを選ぶのは早計です。同じ調査の価格分布を見ると、3,000円以上4,000円未満が31.6%で最も多く、次いで5,000円以上6,000円未満が23.4%、4,000円以上5,000円未満が14.8%と続きます。つまり実際に選ばれているボリュームゾーンは3,000円台で、平均値は15,000円以上を選んだ5.8%の層に引き上げられた数字です。
この構造を知らないまま「平均に合わせよう」と考えると、多数派より1ランク上の予算を組むことになります。逆に、主賓や親族に手厚くする予定があるなら、平均に近い金額が結果的に妥当な着地点になります。判断の分かれ目は、贈り分けをするかどうかです。
引菓子は平均1,400円、6割が1,000円台に収まる
引菓子の一人当たり平均は1,400円です。分布はメインよりはっきりしていて、1,000円以上1,500円未満が62.4%と過半数を占めます。引菓子を用意しなかった人を含む1,000円未満が10.8%、1,500円以上2,000円未満が8.8%で、上下に大きく振れる項目ではありません。
引菓子で予算を調整しようとしても効果が薄いのは、この分布が理由です。3品構成のうち金額を動かせる余地があるのはメインで、引菓子と縁起物はほぼ固定費として考えたほうが計画は立てやすくなります。注意したいのは、引菓子を会場で頼むか外部で頼むかで持ち込み料の扱いが変わる点で、単価を下げたつもりが持ち込み料で相殺されることがあります。
3品合計は一人6,000円|この数字が「引き出物の予算」の正体
同じ調査で、引出物・引菓子・引菓子以外の食べ物や飲み物(いわゆる縁起物)を合わせた一人当たりのギフト費用の平均は6,000円でした。分布は5,000円以上6,000円未満が17.8%で最多、6,000円以上7,000円未満が14.9%、4,000円以上5,000円未満が13.2%と続きます。会場の見積書に載る「引出物代」はこの合計額を指していることが多く、比較検討ではまずどちらの数字なのかを確認してください。
なお2,000円未満が16.1%と一定数あるのは、会費制の披露宴やギフトを1品だけにするスタイルが含まれるためです。品目数を見ると3品目が53.9%で最多、2品目が21.0%、1品目が13.6%、平均は2.6品目でした。3品がスタンダードではあるものの、2品以下も3分の1を超えている点は知っておいて損はありません。
| 項目 | 一人当たり平均 | 最多の価格帯 |
|---|---|---|
| メインの引出物 | 6,300円 | 3,000円以上4,000円未満(31.6%) |
| 引菓子 | 1,400円 | 1,000円以上1,500円未満(62.4%) |
| ギフト合計(3品) | 6,000円 | 5,000円以上6,000円未満(17.8%) |
| カタログ式ギフト | 7,200円 | 3,000円以上3,500円未満(20.0%) |
「ご祝儀の3分の1」は本当に成り立つのか
引き出物の予算は「いただくご祝儀の3分の1程度」という考え方が結婚情報メディアで広く紹介されています。この目安が数字として成り立つか、実測値で確かめてみます。友人からのご祝儀の平均は30,000円(ゼクシィ結婚トレンド調査2023 全国推計値としてゼクシィが公表)で、その3分の1は10,000円です。一方でギフト合計の平均は6,000円ですから、3分の1ルールをそのまま当てはめると実態より高くなります。
実態に近いのは「ご祝儀の5分の1前後」という感覚で、料理・飲み物のもてなしにご祝儀の大半が充てられているためです。3分の1ルールは、ご祝儀が高額になる親族や主賓の予算を組むときの上限の目安として使うと機能します。全員に一律で当てはめる公式ではない、と理解しておくのが安全です。
ご祝儀額から逆算する|ゲスト別の予算の決め方
相場を自分の式に落とし込むには、招待客をご祝儀額のグループに分けて、それぞれの上限を先に決めてしまうのが早道です。ゼクシィが公表しているご祝儀の平均額を軸にすると、次のように整理できます。
ご祝儀30,000円の友人・同僚は合計5,000円〜6,000円が着地点
友人からのご祝儀の平均額は30,000円です。このグループは招待客の中でも人数が多く、総額への影響が最も大きいため、ここを決めれば予算の骨格が固まります。結婚情報メディアが示す目安は、メイン・引菓子・縁起物を合わせて4,000円〜7,000円。実測の平均6,000円と重ねると、5,000円〜6,000円あたりが多数派の着地点です。
内訳の作り方はシンプルで、メインを3,000円台のカタログにして引菓子1,000円台、縁起物1,000円台を足す形が最も一般的な組み合わせになります。ここを削って4,000円未満にすると、同じテーブルで別グループと比べられたときに差が見えやすくなる点は妥協点として認識しておいてください。逆に7,000円を超えると、友人ゲストにとっては持ち帰りの荷物が重くなるという実務上のデメリットが出ます。
ご祝儀42,000円の上司・主賓には合計8,000円前後まで引き上げる
上司からのご祝儀の平均額は42,000円、恩師は41,000円です。友人より10,000円以上多くいただく計算になるため、同じ引き出物では釣り合いが取りにくくなります。メインを8,000円クラスに引き上げ、引菓子と縁起物を据え置く形が扱いやすい調整方法です。
特に主賓の挨拶や乾杯の発声をお願いした相手は、当日の役割に対する感謝も含むため、贈り分けの基準として「受付やスピーチなどをお願いしたか」を挙げる人が12.7%います。注意点は、上司グループの中で役割の有無によって差をつけすぎないこと。同じ会社の複数名を招待している場合、社内で品物の話題が出る可能性があるため、役割による差は1ランクまでに留めるのが無難です。
ご祝儀74,000円の親族は10,000円超えの設計も現実的
親族からのご祝儀の平均額は74,000円で、友人の2倍以上です。ここまで差があると、3分の1ルールがようやく現実的な目安として機能します。メインを10,000円クラスにしても、ご祝儀に対する比率は友人グループと大きく変わりません。
ただし親族の引き出物は、両家で足並みをそろえる必要がある項目です。新郎側と新婦側で親族への金額が違うと、後から親戚づきあいの中で話題になることがあります。贈り分けの基準に「新郎側と新婦側によって」を挙げる人が12.9%いる一方で、親族間の金額は両家で事前にすり合わせておくほうがトラブルは起きにくくなります。品物についても、年配の親族が多い場合は次章のマナー面の配慮が必要です。
夫婦・家族ゲストは1世帯1つ、金額は人数分で考える
夫婦や家族で出席するゲストへの引き出物は、招待状を送った単位=1世帯につき1つ用意するのが基本です。夫婦2名でのご祝儀は50,000円が目安とされるため、一人分の予算をそのまま当てるとバランスが崩れます。実務では、メインを1ランク上げて世帯単位で見合う金額にするか、引菓子を2つにして重みを持たせる方法が使われます。
子ども連れの場合は、大人向けの引き出物に加えて子ども向けのプチギフトを添える方法があります。プチギフトの一人当たり平均は288円、200円未満が27.6%、300円以上400円未満が27.6%という水準なので、予算への影響はほとんどありません。注意点は、家族4人で1つの荷物になると持ち帰りが負担になること。世帯単位で金額を上げるほど、宅配やカード型を検討する価値が高くなります。

招待状の準備も席次も決まったのに、プチギフトだけが最後まで決まらない。ゼリーにするかクッキーにするか、300円と400円で何が変わるのか、そもそも用意しないと失…
| ゲスト | ご祝儀の平均額 | ギフト合計の目安 |
|---|---|---|
| 友人・同僚 | 30,000円 | 5,000円〜6,000円 |
| 上司・恩師 | 42,000円/41,000円 | メインを8,000円クラスへ |
| 親族 | 74,000円 | メインを10,000円クラスへ |
| 夫婦2名 | 50,000円 | 1世帯1つ・金額は世帯単位で調整 |
76.6%が実践する贈り分け|パターンを増やしすぎない設計

ゲストごとに金額を変える「贈り分け」は、いまや例外ではなく標準の運用です。ゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値では、招待客によってギフトの中身を変えた人が76.6%、変えなかった人は22.4%でした。ただし増やせば増やすほど良いわけではありません。
最多は3パターン、平均3.2パターンという現実解
贈り分けをした人のパターン数は、3パターンが44.1%で最多、2パターンが31.3%、4パターンが10.6%、平均は3.2パターンでした。7割以上が2〜3パターンで運用している計算になります。
3パターンの中身は「友人・同僚」「上司・主賓」「親族」で切るのが定番で、ご祝儀額のグループとちょうど一致します。前章の予算表がそのまま発注リストになるということです。4パターン以上に細分化すると、当日の席次と引き出物の配置を突き合わせる作業が急に重くなります。会場スタッフへの引き継ぎ資料も複雑になるため、増やすなら管理コストとセットで考えてください。
基準の第1位は「間柄」で61.0%、ご祝儀額は23.4%
贈り分けの基準として最も多いのは「親族と友人など、招待客との間柄によって」で61.0%。次いで「招待客の年齢層によって」28.2%、「ご祝儀額によって」23.4%、「招待客の性別によって」15.5%と続きます。
興味深いのは、ご祝儀額そのものよりも間柄で分ける人が2倍以上多いことです。ご祝儀の額は当日まで確定しないため、事前に発注する引き出物の基準にはしづらいという実務的な事情があります。年齢層で分ける発想は、持ち帰りやすさや好みの違いを踏まえたもので、金額を変えずに品物だけ変えるという選択肢もここに含まれます。デメリットは、基準が増えるほど「なぜこの人はこちら側なのか」の線引きが曖昧になること。迷ったときは間柄1本に戻すのが確実です。
失敗パターン①:同じテーブルで中身の差が見えてしまう
贈り分けでいちばん多いつまずきは、同じテーブルに座るゲスト同士で袋の中身が違い、それが本人たちに伝わってしまうケースです。原因は、席次ではなく属性だけでグループを切ったこと。たとえば「大学時代の友人」の中に1人だけ会社の同僚が混ざっていると、その1人だけ袋の重さや箱の形が違う、という状況が生まれます。
対策は2段階です。第一に、贈り分けのグループを決めたあとに席次表と突き合わせ、同一テーブル内でパターンが混在していないかを確認します。第二に、混在が避けられない場合は、外袋と外箱のサイズをそろえたシリーズで金額違いのコースを選びます。カタログギフトが引き出物の主流になった理由のひとつが、この「見た目をそろえたまま金額を変えられる」点にあります。
贈り分けを決めたら、必ず席次表と重ねて確認してください。同じテーブルにパターンが2つ以上混ざる場合は、外装がそろうシリーズ内で金額だけを変えるのが安全です。パターン数を増やすほど、当日の配置ミスと発注ミスの確率も上がります。
地域で倍以上ちがう|北海道2,600円と四国7,700円
全国平均だけを見て決めると足をすくわれるのが、引き出物の地域差です。ゼクシィ結婚トレンド調査2024の地域別データを見ると、一人当たりのギフト費用は最も低い地域と最も高い地域で3倍近い開きがあります。
北海道は一人2,600円、理由は会費制と1品文化
北海道の一人当たりギフト費用の平均は2,600円で、全国推計値の6,000円の半分以下です。背景にあるのは会費制の披露宴が定着していることと、ギフトの品目数が1品目の割合が62.0%と突出していること。全国では3品目が53.9%で最多なのに対し、北海道では構成そのものが違います。
贈り分けの実施率も北海道は61.5%と全国の76.6%より低く、一律で用意する文化が残っています。メインの引出物の平均も3,500円で全国の6,300円を大きく下回ります。北海道で式を挙げるなら、全国平均を基準にすると相場から大きく外れて過剰になる、という点は覚えておく価値があります。
四国7,700円・新潟7,600円|高い地域には理由がある
逆に高いのは四国の7,700円、新潟の7,600円、富山・石川・福井の7,000円です。北陸・信越や四国は引き出物の品数が多い傾向があり、たとえば富山・石川・福井では5品目を選ぶ人が24.7%にのぼります。メインの引出物だけを見ても富山・石川・福井は8,000円、茨城・栃木・群馬は7,500円、東海は7,100円と、全国平均を上回ります。
首都圏は一人当たりギフト費用6,200円、メインの引出物6,400円で、全国推計値とほぼ同水準です。九州は4,900円、メインの引出物は5,600円と全国を下回ります。同じ「相場どおり」でも、地元でどう見えるかは地域によって変わるということです。
両家の地元が違うときは、高いほうの慣習に寄せる
新郎新婦の出身地が異なる場合、どちらの相場に合わせるかで判断が割れます。実務的な解は、招待するゲストの多い側の慣習に合わせつつ、親族グループについては高いほうの地域の水準に寄せることです。親族は地元の相場を知っているぶん、下回ったときに気づかれやすいからです。
注意したいのは、この判断を新郎新婦だけで完結させないこと。ゼクシィの解説でも、引出物を選ぶ前に両家へ相談することが勧められています。「ふたりの好きなように」という親もいれば、決定前の相談を当然と考える親もいるため、確認そのものを工程に入れておくと後戻りが減ります。地域や家によって慣習は異なるので、断定的な情報より両家の意向を優先してください。
| 地域 | ギフト費用(一人当たり) | メインの引出物 |
|---|---|---|
| 全国(推計値) | 6,000円 | 6,300円 |
| 北海道 | 2,600円 | 3,500円 |
| 首都圏 | 6,200円 | 6,400円 |
| 富山・石川・福井 | 7,000円 | 8,000円 |
| 四国 | 7,700円 | 6,000円 |
| 九州 | 4,900円 | 5,600円 |
カタログギフトを使うときの実額|システム料込みで考える
いまの引き出物は、実質的にカタログギフトの価格表で決まります。ゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値では、引出物の内容としてカタログ式ギフト(冊子タイプ)が50.5%、カタログ式ギフト(カードタイプで選ぶ)が45.5%を占め、食器14.9%、タオル・傘などの日用品12.7%を大きく引き離しています。
カタログ式の平均は7,200円|現物より高くなるカラクリ
一人当たりのカタログ式ギフトの平均は7,200円で、引出物全体の平均6,300円より高い数字です。実は、これがカタログギフトの価格を読み解く鍵になります。カタログの表示価格には、商品の価格だけでなくシステム料が含まれているためです。
ハーモニックの説明では、システム料にはカタログ冊子・あいさつ状・化粧箱・商品お申込ハガキ・贈り先が選んだ商品の配送料が含まれます。つまり5,390円のコースを選んでも、ゲストが選べる商品の価値はその金額より小さくなります。同じ予算で現物のギフトを選ぶより中身が軽くなる、というのがカタログの構造的なデメリットです。それでも選ばれているのは、外装をそろえたまま金額を変えられ、ゲストが自分で選べるという利点が上回るからです。
システム料=カタログギフトを届けて注文を受け、ゲストが選んだ商品を発送するまでにかかる諸経費。カタログ冊子・あいさつ状・化粧箱・申込ハガキ・商品の配送料が含まれる。表示価格が税込・システム料込みか、商品価格だけの表示かで実質の中身が変わるため、比較するときは条件をそろえて確認する。
ハーモニック テイク・ユア・チョイスは3,190円から16コース
実額で見るとイメージがつかみやすくなります。ハーモニックの「テイク・ユア・チョイス」は全16コースで、フリージア3,190円、ガーベラ4,290円、ローズ5,390円、カーネーション6,490円、ネリネ7,590円、ポピー9,790円、カルミア11,990円と続き、上はジャコビニア55,990円まであります。いずれも税込・システム料込みの表示です。
前章のグループ分けに当てはめると、友人にはフリージア3,190円かガーベラ4,290円、上司にはネリネ7,590円、親族にはポピー9,790円やカルミア11,990円という組み合わせになります。同じシリーズなので外装がそろい、贈り分けをしても同一テーブルで差が目立ちにくいのが実務上の利点です。注意点は、コースが上がるほど掲載点数は増えるものの、ゲストが実際に選ぶ商品の満足度は金額に比例しないこと。金額を上げるより、シリーズの中身がゲストの好みに合うかを見たほうが効果的です。

内祝いのお返しを探していると、必ず候補に挙がるのがカタログギフトです。そのなかでも「ハーモニック」という名前を目にして、コース数の多さに手が止まっている方は少な…
リンベルはブライダル専用シリーズが3,190円から
リンベルの公式ラインナップでは、ブライダル向けとして「リンベル ブライダル」が全13コースで3,190円〜110,990円(税込)、「プレゼンテージ ブライダル」が全15コースで3,190円〜55,990円(税込)と案内されています。下限が同じ3,190円で並ぶのは、引き出物の最多価格帯である3,000円台に各社が主力コースを置いているためです。
リンベルには式で渡すのはカードだけというコンパクト型のオプションもあります。持ち帰りの負担を減らせる一方で、当日の「渡した感」は現物より薄くなるため、年配のゲストが多い式では反応が分かれます。金額だけでなく、渡す形式もゲスト層に合わせて選ぶ視点が必要です。

「カタログギフトは5,000円くらいで」と決めたものの、いざ探し始めると迷いが増えるのではないでしょうか。5,000円ちょうどの商品が見つからない、4,900円…
意外と知られていないのが、購入先で価格が変わること
実は、同じ引き出物でも購入先によって総額は変わります。ゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値では、引出物の購入先は利用した挙式・披露宴会場が56.2%、会場が提携しているショップが27.3%、外部のインターネット通販が16.3%、外部のショップ(店頭)が3.5%でした。半数以上が会場で完結させている一方、6人に1人は外部通販を使っています。
外部通販は同じコースでも割引が効く場合がありますが、次章で触れる持ち込み料が発生すると差額が消えることがあります。会場で頼めば当日の配置まで任せられ、外部で頼めば選択肢が広がる。どちらが得かは持ち込み料の条件次第なので、見積もりを取る前に確認しておくべき項目です。
相場どおりに組んでも予算が膨らむ|見落としやすい費用
引き出物の予算がずれる原因は、品物の単価ではなく周辺コストにあることが少なくありません。ここを最初に潰しておくと、後半の準備が楽になります。
持ち込み料は1点300円〜500円、3品なら人数分で効いてくる
外部で購入した引き出物を会場に持ち込む場合、持ち込み料が発生することがあります。結婚情報メディアが示す目安は1点あたり300円〜500円程度、会場によっては600円という例もあります。メイン・引菓子・縁起物の3品それぞれに設定されている場合、1人あたりの上乗せは無視できない規模になります。
注意点は、持ち込み料の有無と金額が会場ごとに違い、契約書や見積書の細目に書かれていることです。外部購入で単価を下げる作戦を取るなら、持ち込み料を含めた総額で比較してください。持ち込み料を負担するサービスを用意している業者もあるため、条件は事前にプランナーへ確認するのが確実です。
失敗パターン②:数量確定が遅れて割高な追加発注になる
もうひとつ多いのが、数量の確定が遅れて発注が二度手間になるケースです。引き出物の検討は遅くとも挙式の2ヶ月前、余裕を持つなら4ヶ月前から始めるのが一般的とされます。ところが実際には、招待状の返信が出そろわないと最終的な人数は決まりません。
原因は、検討開始と数量確定を同じ工程だと考えてしまうことにあります。対策は、この2つを分けて管理することです。コース・品物の決定は早めに済ませ、数量は返信期限の直後に確定させる。この段取りにしておけば、直前の増減にも1回の連絡で対応できます。追加発注が発生すると、送料や納期の都合で単価以上のコストがかかることがあるため、返信期限そのものを挙式の1ヶ月以上前に設定しておくのが有効です。
宅配・カード型に切り替えると何が変わるか
持ち帰りの負担と当日の配置作業を減らす選択肢が、引き出物の宅配とカード型です。宅配タイプは3品セットを式当日ではなく後日ゲストの自宅へ配送する方式で、ゲストは手ぶらで帰れます。一方で、全員分の住所を集めて入力する作業が発生します。
カードタイプは、カードサイズの台紙を当日渡し、ゲストがQRコードから商品を選ぶ方式です。持ち帰りの負担が小さく、贈り分けの管理も軽くなります。デメリットは、当日ゲストの手元に残るのが紙のカードだけになること。年配のゲストや、引き出物を「その場で受け取るもの」と考えている親族には、事前に一言添えておくほうが安心です。会場によって持ち込みの扱いが異なる点も、宅配・カード型を検討する際の確認事項になります。
・持ち込み料は品目ごとにかかるのか、1人あたりいくらになるのか
・宅配・カード型は持ち込み扱いになるのか
・数量の最終確定はいつまでか、追加発注の締切と条件はどうなっているか
金額以外で外さないために|のし・品物選びの基準
金額が相場どおりでも、のしの体裁や品物の選び方でつまずくことがあります。特に親族や年長のゲストが多い式では、ここが印象を左右します。
水引は結び切り、表書きは「寿」が基本
婚礼の引き出物にかけるのしは、一度きりであってほしい慶事に使う「結び切り」が基本です。紅白または金銀で、10本のものが使われます。あわじ結びも婚礼で一般的に用いられる形です。表書きは「寿」が基本で、「内祝」とする例もあります。名前書きは両家の名字を並べるか、新郎新婦の名前を入れるのが一般的です。
10本という本数には、5本×2束=両家が結び合う姿を表すという解釈も紹介されています。ただし、のしの体裁は地域や家によって慣習が異なる場合があるため、迷ったら両家に確認するか、会場・ギフト業者の担当者に相談してください。品物を発注する段階でのしの指定も同時に行うのが、手戻りの少ない進め方です。
内のしと外のし、どちらが正解なのか
内のしは品物にのしをかけてから包装紙で包む方式、外のしは包装紙の上からのしをかける方式です。引き出物についてはどちらでなければならないという厳密な決まりはなく、地域によって慣習が異なる場合があります。
実務では、宅配で送る場合は配送中にのしが傷まない内のしが選ばれやすく、当日手渡しで表書きを見せたい場合は外のしが選ばれやすい、という使い分けがあります。判断に迷うときは、会場や地元のギフト店の慣習に合わせるのが無難です。ここは正解を探すより、両家で認識をそろえることのほうが重要になります。
割れ物・刃物のタブーは薄れたが、相手で判断する
引き出物には、避けられてきた品物があります。刃物は「縁を切る」、割れ物は「仲が割れる」を連想させるとされ、ほかにくし(苦・死に通じる)、靴下や外履きの靴、下着なども挙げられます。
一方で、近年はデザイン性の高い食器やペアグラスを選ぶ人も増えており、受け止め方は相手や地域・世代によって異なります。全員に一律のタブーとして扱うより、贈り分けの発想で切り分けるのが現実的です。友人グループには気にせず選び、親族や年長の上司には伝統的な配慮を優先する。特定の品物が「必ず失礼にあたる」と断じるのではなく、相手が気にする可能性のある品は避ける、という判断基準が扱いやすくなります。
由来を知ると「持ち帰りやすさ」が最優先になる理由がわかる
引き出物という言葉は、平安時代の宴で客に馬を庭に引き出して贈った習慣が語源とされています。品数についても、奇数を吉とする考え方から3品が定着したとされ、かつては5品が主流だった時代もありました。数より質を重視する流れの中で、いまは3品が標準になっています。
この歴史を踏まえると、現代の引き出物で本当に大事なのは「相手が持って帰れるか」だとわかります。重い食器セットが避けられるようになったのも、カタログギフトが50.5%を占めるようになったのも、同じ理由です。金額を上げるほど品物は大きく重くなりがちなので、予算を上げるときこそ持ち帰りやすさを基準に加えてください。
まとめ|引き出物の相場は「合計6,000円」から組み立てる
まず手を付けるなら、招待客リストをご祝儀額で3グループに分け、それぞれのギフト合計の上限を書き出すところからです。友人は5,000円〜6,000円、上司はメインを8,000円クラス、親族はメインを10,000円クラス。この3行が決まれば、カタログのコース選びは価格表を上から順に当てはめるだけの作業になります。あとは席次表と突き合わせて、同じテーブルにパターンが混ざっていないかを確認すれば、当日の運用まで含めた設計は完成します。
なお、記事中の平均値はゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)、ご祝儀の平均額は同2023の公表値、カタログギフトの価格は各社公式サイトの表示に基づいています。カタログのコース構成や価格、会場の持ち込み料の条件は改定されることがあるため、発注前に公式サイトと会場の見積書でご確認ください。

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