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披露宴の終盤、花嫁の手紙のあとに両親へ品物を手渡す。あの数分間のために何を用意すればいいのか、金額はいくらが妥当なのか、式場に頼むべきか自分で買うべきか——結婚式の準備で後回しにされやすいのに、当日いちばん記憶に残るのが両親へのプレゼントです。
先に結論をお伝えします。結婚式アイテム専門店ファルベが2025年に販売データをもとにまとめた調査では、両親ギフト1つあたりの平均価格は12,661円でした。つまり「両家に1つずつで合計2万円台」が今の標準です。そして品物選びより先に決めるべきなのは、当日どうやって持ち帰ってもらうかという一点です。ここを外すと、どんなに思いを込めた品も親を困らせてしまいます。
この記事では、相場の読み方、贈るものを5タイプに分ける考え方、定番アイテムの公式価格による比較、納期と持ち込み料の落とし穴、マナーで迷いやすい論点までを順に整理します。金額はすべてメーカー・販売元の公式ページで確認した現行価格です。
・両親贈呈品の相場は「1つあたり」と「両家合計」のどちらで語られているかで倍違う
・記念型(三連時計・ウェイトドール・子育て感謝状)と実用型(グラス・花束・カタログギフト)の価格と向き不向き
・納期と持ち込み料でつまずかないための逆算スケジュール
・両家で差をつけない渡し方と、避けられる傾向のある品目
結婚式で両親へプレゼントを選ぶ前に、相場の実像を押さえる

平均12,661円という数字が意味すること
両親贈呈品の予算に迷ったら、まず1つあたり1万円台前半を基準に置いてください。結婚式アイテム専門店ファルベが年間1万個以上の両親ギフト販売実績をもとにまとめた2025年版の市場調査では、プレゼント1つあたりの平均価格は12,661円でした。前回2022年調査の11,788円から873円、率にして約7.4%の上昇です。
この数字が便利なのは、実際に購入された価格の平均だという点にあります。アンケートで答えた希望額ではなく、決済された金額の平均なので、店頭やネットで見比べたうえで最終的に選ばれた着地点を示しています。同じ調査によると、両親ギフトの平均注文時期は結婚式の29.1日前。前回調査の27.7日前より少し早まっています。
使い方としては、この平均を「上限」ではなく「中心線」として扱うのが現実的です。招待人数が少ない式なら演出に予算を寄せられますし、逆に披露宴の規模が大きければ贈呈品は控えめにして手紙や写真に比重を移す選択もあります。注意したいのは、平均額に引っ張られて品物のグレードだけを上げてしまうこと。次の項目で触れるとおり、同じ「1万円台」でも数え方によって総額は倍変わります。
出典:株式会社ファルベ「結婚式両親贈呈品市場調査」2025年版(PR TIMES)
両親贈呈品(りょうしんぞうていひん)=披露宴の終盤、花嫁の手紙や謝辞に続いて新郎新婦から双方の親へ手渡す記念品のこと。式場では「記念品贈呈」と案内されることが多い。ゲストへの引出物とは別枠の費用で、両家それぞれに1つずつ用意するのが基本形。
「1つあたり」か「両家合計」かで、総額は倍変わる
相場の記事を読み比べると金額がばらつくのは、数え方が統一されていないからです。ファルベの調査は「プレゼント1つあたり」の平均で12,661円。一方、マイナビウエディングPRESSが実施した「両家合わせた親への記念品の金額」のアンケートでは、最多が5,000円以上~10,000円未満で29%、次いで10,000円~15,000円未満が23%、30,000円以上が21%、15,000円~30,000円未満が11%、5,000円未満が7%という分布でした(調査期間2015年10月16日~24日、180名、インターネット調査)。
つまり「1万円」と書かれていても、それが片方の親への1つぶんなのか、両家2つぶんの合計なのかで、実際に財布から出る金額は倍違います。見積書に載せるときは必ず「単価×2」で計算してください。ファルベの調査でも、約85%が一人あたり1万円~1万5千円を使い、新郎新婦2人合わせると2万円~3万円になるという整理がされています。
もう1つの落とし穴が、贈る相手の数です。両親が離婚して別々に暮らしている、片方の親がすでに他界していて祖父母が育ての親にあたる、兄姉夫婦も同席する——こうしたケースでは「両家2つ」の前提が崩れます。人数が増えるなら単価を下げて数を確保する、あるいは主役の2人には記念品、他の家族には花を添えるといった配分にすると総額が膨らみません。
ちなみに、贈答の予算感覚はゲストへの品物とも連動します。結婚式全体でいくら配るのかを俯瞰しておくと、両親贈呈品だけが浮くことがなくなります。

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品物代だけで組むと足が出る。予算は3つに分ける
両親贈呈品の予算は、品物代・持ち込み料・当日の運搬という3つの費目に分けて組み立てると破綻しません。品物代しか見ていないと、式場に持ち込む段階で追加費用が発生したり、当日ラッピングを解いて詰め替える手間が生じたりします。
持ち込み料は式場ごとにルールが違い、記念品にかかる場合とかからない場合があります。ハナユメが示している目安では、ウエディングドレスの持ち込み料が3万円~5万円、ブーケが1万円~2万円、引出物は1点につき500円~1,000円とされています(調査出典の明記がない媒体の平均費用のため、あくまで幅の参考として扱ってください)。持ち込み料が請求されるのは保管料の意味合いだけでなく、提携業者から入るはずだった紹介手数料を補う意味もある、というのが式場側の事情です。
運搬の費目は見落とされがちですが、親が電車で帰る場合は紙袋のサイズがそのまま制約になります。大きな花束や額装品を渡すなら、式場のクロークで預かってもらえるか、宅配で自宅へ送れるかを事前に確認しておくと安心です。マイナビウエディングPRESSの調査では、記念品の購入場所は会場の提携先が49%、ネット・店舗での手配が35%。提携先を使うと持ち込みの心配は消えますが、選択肢は絞られます。この二者択一を、金額だけでなく「当日の手間をどちらに預けるか」で決めるとぶれません。
何を贈るかは、5つのタイプに分けると一気に決まる
形に残る記念型:時計・感謝状・ぬいぐるみ
迷ったときの第一候補は、結婚式の日付や名前が入る記念型です。三連時計、子育て感謝状、ウェイトドール(体重ベア)が代表格で、ファルベの人気ランキングでも上位を占めています。1位が子育て感謝状(ブーケ入り)13,750円、2位がクリアガラス子育て感謝状9,680円、3位が夫婦箸セット12,100円、4位がフォトフレーム9,350円、5位がワイン子育て感謝状9,680円という並びです。
記念型が強いのは、贈呈シーンで「見せる」ことができる点にあります。式場のスクリーンや客席から見て何を渡しているのかが伝わるため、演出としても成立します。名入れやメッセージ入りは既製品にはない一点物になり、価格以上の意味を持たせられます。
一方で弱点は明快です。飾る場所を親が確保できるかどうかに満足度が左右されること、そして持ち帰りにかさばること。実家のリビングにすでに写真や置物が並んでいる家では、置き場所に困らせてしまう可能性があります。両親の家の様子を思い出して、A4サイズ程度に収まるかどうかを目安に選ぶと外しにくくなります。
毎日使える実用型:グラス・食器・箸
飾らずに使ってもらいたいなら実用型です。夫婦箸、ペアのグラスや湯呑み、ブランド食器などがこれにあたり、価格帯も5,000円台から選べます。記念型より価格を抑えやすく、日常のなかで思い出してもらえるのが利点です。
選ぶ基準は「今使っているものより少し良いもの」。すでに持っているカテゴリの上位互換であれば、使わずにしまい込まれるリスクが下がります。逆に、家に食洗機があるのに手洗い専用の繊細な器を贈る、晩酌の習慣がない親に酒器を贈るといったミスマッチは起こりがちです。
注意点として、割れものは贈答で避けられる傾向があると説明されることがあります。JTBのギフトコラムでも「切れる」「別れる」「割れる」を連想させる品は避けるとされ、刃物やハンカチ、日本茶、櫛が例として挙げられています。ただし現在はペアグラスや食器が両親贈呈品として広く選ばれており、受け取る側の考え方によって受け止めは変わります。気にする家かどうかが分からない場合は、事前にどちらかの親にそれとなく確認しておくのが無難です。
手元に残らない消えもの型と、選んでもらう型
置き場所を取らせたくないなら、花束・お酒・食事券のような消えもの型と、カタログギフトのように相手に選んでもらう型が有力です。マイナビウエディングPRESSが親世代に聞いた「もらってうれしい記念品」では、1位が「何でも嬉しい」で45%、2位が「旅行券・食事券など夫婦で楽しめるもの」で27%、3位が「花束・プリザーブドフラワー」で9%でした(調査期間2016年5月10日~11日、406名)。
この結果は示唆的です。親世代の約半数は品物そのものにこだわっておらず、次に多いのが「夫婦で過ごす時間」に使えるもの。物より体験を求める層が一定数いることが読み取れます。カタログギフトや食事券は、その希望に最も素直に応える形式です。
デメリットは、贈呈シーンでの見栄えが弱いことと、事務的に映る可能性があること。封筒やカタログを手渡すだけでは写真に残りにくいので、花束や手紙と組み合わせて渡すのが定番の解決策です。実は、記念型と消えもの型を1つずつ組み合わせて総額1万円台に収める構成は、平均12,661円という相場ともよく整合します。
| 重視したいこと | 向いているタイプ | 価格の目安 |
|---|---|---|
| 当日の演出として見せたい | 三連時計・ウェイトドールなどの記念型 | 14,300円〜39,600円 |
| 置き場所を取らせたくない | グラス・夫婦箸などの実用型 | 5,500円〜12,100円 |
| 好みが読めない | カタログギフト(選んでもらう型) | 11,990円〜17,490円 |
| 予算を抑えて気持ちを伝えたい | 子育て感謝状+花束の組み合わせ | 6,980円+6,050円 |
よくある失敗①:かさばって、親が持ち帰れない
両親贈呈品でいちばん多いつまずきは、当日の持ち帰りを計算に入れていないことです。披露宴を終えた親は、留袖やモーニングの着替え、親族から預かった荷物、写真台紙などを抱えて帰路につきます。そこへ大きな額装品や丈のある花束が加わると、電車移動では現実的に持てません。
原因は単純で、通販の商品写真ではサイズ感がつかみにくいためです。対策は3つあります。第一に、購入前に商品ページの外寸を確認し、親が持つ紙袋に入るかどうかを判断すること。第二に、大きい品を選ぶなら式場のクロークや宅配便での自宅発送を段取りしておくこと。第三に、贈呈シーンで渡すのは花束など軽いものにして、本体は控室に届けておく二段構えにすることです。
特に生花の花束は水分を含むぶん重く、夏場は移動中に傷みます。プリザーブドフラワーやハーバリウムが両親贈呈品として定着しているのは、この持ち帰りの問題を回避できるからでもあります。見た目の華やかさを取るか、扱いやすさを取るか。ここは親の帰宅手段から逆算して決めてください。
記念に残る定番3ジャンルを、公式価格で比べる

三連時計:1本の木から3つに分ける形が意味を持つ
両家と新郎新婦で同じ木から切り出した時計を分け合うのが三連時計です。木の暮らしの公式ラインナップでは、最も手に取りやすいSimpleが19,800円、定番のBASICが39,600円から。木材を追加料金なしのけやき・くりから、さくら・くるみに変更すると1個あたり2,200円、ブラックウォールナットなら6,600円が加算されます。感謝の言葉を入れる文字入れは1個1面につき1,100円で、表面・裏面・両面から選べます。
価格の幅は広く、Photo Frameは59,400円から、Crystalは103,400円からという上位モデルもあります。BASICは振り子の有無とサイズによって39,600円~82,500円の範囲で変動する構成です。木目がつながって見えるのは同じ木から切り出しているためで、この「1本の木を3つに分ける」という説明そのものが贈呈シーンの言葉になります。
向いているのは、時計を掛ける壁が実家にあり、かつ形として長く残したい場合です。逆に注意点は納期と価格帯。2026年9月1日時点の公式表示では、Simple・BASIC・KANAが最短9月4日、Photo Frameが最短9月24日、Crystalが最短10月5日と、モデルによって3週間以上の差があります。凝ったモデルほど時間がかかるため、式の1か月前に思い立って上位モデルを選ぶと間に合わない可能性があります。
ウェイトドール:生まれた重さを再現するという一点突破
生まれたときの体重と同じ重さに仕上げたぬいぐるみがウェイトドール(体重ベア)です。ウェイトドール専門店テディベアタイムの公式サイトでは、持ち込みのぬいぐるみにも対応するオリジナルウェイトドールが14,300円、ミッフィーウェイトドールのスタンダードが27,500円、スヌーピーウェイトドールはベーシックが26,400円から、フォーマルが29,700円からという価格です。1g単位で体重を再現すると明記されています。
この贈り物の強みは、抱いた瞬間に伝わることにあります。数字で聞いても実感の湧かない出生体重が、腕にかかる重さとして再現される。説明が不要で、贈呈シーンで親が抱きかかえる絵が自然に生まれます。ディズニーの各種は27,500円~28,600円、リラックマやくまモンなどは21,450円~26,400円と、キャラクターによって価格が動きます。
デメリットは3つ。まず、ぬいぐるみを飾る習慣がない家では置き場所に困ること。次に、サイズが出生体重に比例するため、体重が重かった場合は想定よりも大きくなること。そして、ほこりを避けるためにケースを別途用意したくなる点です。父親側の反応が読みにくいと感じるなら、母親にはウェイトドール、父親には別ジャンルという分け方も選択肢になります。
子育て感謝状:1万円未満でも成立する数少ない選択肢
育ててくれたことへの感謝を表彰状の形にしたのが子育て感謝状です。ギフト専門通販PIARYのカテゴリでは95件が並び、価格帯は3,980円~22,500円。両家分がセットになった子育て感謝状パネル(2枚)は6,980円、アーチ ミモザSが7,500円、ナチュラルアーチ 選べるフラワーブーケが8,400円、プリザーブドフラワー入りのナチュラルボックスが8,800円、アネモネブーケLが11,500円です。
ファルベのランキングでも1位が子育て感謝状(ブーケ入り)13,750円、2位がクリアガラスタイプ9,680円と、このジャンルが上位を占めています。人気の理由は、文面に二人の言葉を入れられること、そして花やガラスと組み合わせることで単なる紙の賞状に見えないデザインが増えたことにあります。
使い分けの目安はこうです。予算を抑えつつ気持ちを形にしたいなら両家分セットで6,980円、贈呈シーンで華やかさが欲しいならブーケ入りの1万円台。注意点は文面の作成時間で、名前・日付・メッセージを入稿してから制作に入るため、文章に迷うと発注が遅れます。文面のたたき台を先に作ってから商品を選ぶと段取りが崩れません。誤字や名前の漢字違いは差し替えがきかないので、入稿前に両家の親の氏名を一字ずつ確認してください。
| 項目 | 三連時計(木の暮らし) | ウェイトドール(テディベアタイム) | 子育て感謝状(PIARY) |
|---|---|---|---|
| 入口価格 | 19,800円(Simple) | 14,300円(オリジナル) | 3,980円(カテゴリ最安) |
| 中心価格帯 | 39,600円〜(BASIC) | 26,400円〜(キャラクター) | 6,980円〜11,500円 |
| 名入れ・文面 | 1個1面につき1,100円 | 商品により対応 | 文面入稿が前提 |
| 置き場所 | 壁面が必要 | 棚・ケースが必要 | 卓上・壁面どちらも可 |
使うたびに思い出す。実用重視で選ぶ3つの答え
田島硝子の富士山グラス:5,500円で名前が残るという逆転
実用型で価格と印象のバランスが取りやすいのが、江戸硝子メーカー田島硝子の富士山グラスです。公式オンラインショップの価格は富士山ロックグラスが5,500円、富士山タンブラーも5,500円。ロックグラスは容量270ml、タンブラーは容量400mlです。グラスの底に雪を頂く富士山が砂掘りで表現されており、注いだ飲み物の色が山肌に反射する設計になっています。
両親贈呈品として使いやすい理由は3つあります。まず、木箱入りで贈答の体裁が整うこと。次に、記念型より単価が低いため、花束やカタログギフトと組み合わせても総額が抑えられること。そして、2015年度のおみやげグランプリでグランプリおよび観光庁長官賞を受賞しており、由来を一言添えられることです。単品のほか、ロックグラス・タンブラーともにペアの取り扱いがあります。
注意点は、割れものであることと、酒を飲まない親には出番が限られること。ロックグラスは焼酎やウイスキーの器という印象が強いので、飲酒の習慣がない場合はタンブラーを選ぶと麦茶や水にも使えます。また、ガラス製品は当日の持ち帰りで最も気を使うカテゴリです。箱のまま渡し、緩衝材を抜かないよう伝えておくと安心です。
| 容量 | 270ml(タンブラーは400ml) |
| 価格 | 5,500円(公式オンラインショップ) |
| 意匠 | 底面に雪を頂く富士山を砂掘りで表現 |
| 受賞歴 | 2015年度おみやげグランプリ グランプリ・観光庁長官賞 |
日比谷花壇の花束:贈呈シーンの主役になる定番
贈呈の絵が最も決まるのは、やはり花束です。日比谷花壇の公式通販の花束カテゴリは3,850円~38,500円という幅で、花束「ローズピンク」と花束「ローズレッド」がともに6,050円、バラの形の花束ペタロ・ローザ「フェミニンミックス」が12,650円、デザイナーズブーケ「プラード」が17,600円という並びです。季節商品として9月旬の花 ケイトウ そのまま飾れるブーケ(ピンク・S)が5,500円、同じくケイトウの花束(ピンク・M)が8,800円で展開されています。
花束を選ぶ利点は、価格の刻みが細かく予算調整に使えることと、記念品と組み合わせても浮かないことです。マイナビウエディングPRESSの親世代アンケートでも「花束・プリザーブドフラワー」は3位に入っており、受け取る側の心理的なハードルが低いジャンルといえます。
一方で生花には制約もあります。当日の朝に受け取る段取りが必要なこと、披露宴のあいだ水揚げしておく場所を式場に確保してもらう必要があること、そして持ち帰り後すぐに花瓶を用意しなければならないこと。実家に大きな花瓶がないケースは珍しくないので、そのまま飾れるタイプのブーケを選ぶか、花瓶不要のアレンジメントに寄せる判断も有効です。花のサイズは、親が片手で持てる程度に収めるのが実務的な上限になります。
リンベルのカタログギフト:好みが読めないときの最適解
親の趣味が分からない、あるいは両家で好みが大きく違う場合は、カタログギフトが最も合理的です。リンベルの公式サイトの価格帯別一覧(10,000円~19,999円)では、シリウスが11,990円で掲載点数は約850点、ビーナスが12,100円、ノクターンが11,990円で約910点、ボレロが14,190円、ネプチューンが17,490円で約550点、トリトンが17,600円といった構成です。リンベルのカタログギフトは全36コース、3,190円~110,990円(税込)の展開になっています。
この価格はシステム料込みの支払額なので、掲載されている商品の金額そのものではありません。つまり支払額の全額が商品に化けるわけではなく、その差額でカタログ制作・配送・注文受付の仕組みを賄っています。この構造を理解しておくと、同じ1万円台でも品物を直接贈るのとは価値の出方が違うと納得できます。
食に振り切るなら、レストランの食事を選べる「食を愉しむひととき」が11,990円で182施設という選択肢もあります。デメリットは、贈呈シーンで見た目が地味になることと、有効期限内に注文してもらう手間を親に預けること。封筒を花束と一緒に手渡す、あるいは注文方法を書いた一筆を添えると、受け取った側が迷いません。

香典返しや結婚内祝いで「1万円くらいのカタログギフトを」と考えて価格表を開くと、目に入るのは11,990円という中途半端な数字。1万円のつもりだったのに、なぜこ…
間に合わない・持ち込めないを防ぐ、逆算の段取り

発注は式の1か月前が平均。ただし品物で前倒しが要る
両親ギフトの平均注文時期は結婚式の29.1日前で、前回2022年調査の27.7日前よりわずかに早まっています。多くの新郎新婦が挙式1か月前を目安に動いている計算です。ただしこの平均は、あくまで全商品をならした数字にすぎません。
実際には、名入れや文面入稿が必要な品ほど余裕が要ります。木の暮らしの公式表示(2026年9月1日時点)では、Simple・BASIC・KANAが最短9月4日に対し、Photo Frameは最短9月24日、Crystalは最短10月5日。同じブランドの中でもモデルによって3週間以上の開きがあります。子育て感謝状も、文面を確定してから制作に入るため、迷う時間を含めると発注は実質2週間ほど前倒しになります。
逆算の順番はこうです。まず式の3か月前にジャンルを決め、2か月前に商品と文面を確定、1か月前に発注、2週間前に受け取って現物を確認する。受け取ってからのバッファを2週間取るのは、名入れの誤字や破損が見つかったときに作り直す時間を確保するためです。式の直前に届く段取りは、トラブルが起きた瞬間に手詰まりになります。
よくある失敗②:持ち込みルールを式場に確認していない
2つ目の失敗は、品物を買ってから式場の持ち込みルールを知るパターンです。両親への記念品も、式場経由で手配したものでなければ持ち込みに該当し、持ち込み料が発生する場合があります。式場によっては食品や生花の持ち込みそのものを禁じていることもあり、ルールは会場ごとに異なります。
原因は、記念品が引出物やドレスほど「持ち込みの対象」として意識されていないことにあります。対策はシンプルで、打ち合わせの早い段階で「両親贈呈品を自分たちで用意した場合、持ち込み料はかかりますか」と一度だけ確認しておくこと。あわせて、当日の預け先(控室に置けるのか、クロークで預かるのか)と、贈呈の直前にスタッフが運んでくれるのかを聞いておけば、当日の動線が固まります。
マイナビウエディングPRESSの調査で会場の提携先での購入が49%を占めるのは、この手間を丸ごと式場に預けられるからでもあります。ネット・店舗で手配した35%の人たちは、価格や選択肢の広さと引き換えに、この確認作業を自分で担っているわけです。どちらが正しいという話ではなく、確認の1回を惜しむかどうかの差です。
・自分で手配した記念品に持ち込み料がかかるか、式場に確認したか
・名入れ・文面入稿の締切から逆算して、受け取り後2週間のバッファを取れているか
・両家の親の氏名の漢字を、入稿前に一字ずつ確認したか
・親の帰宅手段(電車・車・タクシー)に対して、サイズと重さが現実的か
・生花を選ぶ場合、披露宴中の保管場所を式場に相談したか
贈呈シーンは数分で終わる。渡し方まで決めておく
贈呈そのものにかけられる時間はごく短いのが実情です。花嫁の手紙から記念品贈呈までの演出全体の持ち時間は約5分程度、司会者の紹介から両親が登壇するまでが約2分、朗読時間は2~3分が目安とされています。手紙の文字数は600字から850字程度が一般的で、朗読が終わるとそのまま記念品贈呈へ流れる進行が定番です。
この短さを前提にすると、渡し方は事前に決めておくのが正解です。誰が誰に渡すのか(新婦が自分の親に渡すのか、新郎が新婦の親に渡すのか)、袋のまま渡すのか中身を出して渡すのか、その場で開けてもらうのか。決めていないと、壇上で数十秒の迷いが生まれます。
実務的におすすめなのは、包装から出した状態で渡し、袋は別のスタッフが控室へ運ぶ方法です。写真に袋が写り込まず、親も手ぶらに近い状態で席へ戻れます。ガラスなど割れやすいものは箱ごと渡し、その場では開けない前提にすると安全です。式場のプランナーには、贈呈品の外寸と個数を事前に伝えておくと、当日の受け渡し位置まで調整してもらえます。
マナーで迷いやすい4つの論点を整理する
避けられる傾向のある品目とのつき合い方
贈答では「切れる」「別れる」「割れる」を連想させるものは避けるという考え方があります。JTBのギフトコラムでは、刃物、ハンカチ(手巾=てぎれの字から別れを連想)、日本茶(弔事で使われる)、櫛(苦・死を連想)が例として挙げられています。
ただし、これらを一律に「タブー」と決めつける必要はありません。現在はペアグラスや包丁が実用的なギフトとして流通しており、受け止め方は家庭や世代によって差があります。地域や家の慣習によって考え方が異なる場合があるため、気にする家かどうかが分からないときは、避けるか、事前にさりげなく確認するのが穏当な進め方です。
実務上の判断基準は「その品を選んだ理由を一言で説明できるか」。日本茶でも、親が毎日飲む銘柄をあえて選んだ理由を手紙に書けば意味が変わります。逆に、深く考えずに選んだ結果が縁起の悪い連想を招くのが最も避けたいパターンです。
のしは要るのか、要らないのか
両親贈呈品は式の演出のなかで手渡す記念品なので、のし紙をかけないケースが一般的です。壇上で包装から出して渡す流れを考えると、のし紙は実務的にも扱いにくくなります。
一方で、式とは別の日に改めて渡す場合や、親族への挨拶を兼ねる場合は、掛け紙をかけて表書きを入れる方が形式が整います。この判断は品物の性格ではなく「渡す場面が式の演出か、あらためての贈答か」で分けると迷いません。結婚に関わる贈答ののし・水引の考え方は地域や宗派によって異なる場合があるため、迷ったら購入先のギフトカウンターに用途を伝えて相談するのが確実です。
なお、結婚の挨拶で両家を訪問する段階の手土産は、両親贈呈品とはまったく別の作法になります。式当日の記念品と混同しないよう、時系列で分けて考えてください。

結婚の挨拶に伺う日が決まると、多くの人が最初につまずくのが手土産です。金額はいくらが妥当なのか、のし紙は掛けるべきなのか、そもそも玄関で渡していいのか。調べれば…
両家で差をつけない、が原則
両親贈呈品の鉄則は、両家で同じものを同じ価格帯で用意することです。片方が三連時計で片方が花束のみ、といった構成は、金額差が見えた瞬間に気まずさを生みます。同じ商品で色違い・文面違いにするのが最も無難な解です。
理由は単純で、贈呈シーンは両家の親が並んで受け取るからです。同じ場面で並ぶ以上、大きさや包装の違いはその場で比較されます。ファルベの調査で平均価格が1つあたり12,661円という単価で語られているのも、両家に同額のものを1つずつという前提が業界の標準だからです。
例外として、家族構成の違いで数が揃わない場合があります。片方が両親揃っていて、もう一方は母親だけというケースでは、無理に数を合わせるより「1家庭に1つ」で揃えるほうが自然です。祖父母も同席するなら、主役の親には記念品、祖父母には花を1本ずつといった形で、渡す相手を漏らさない配慮のほうが優先されます。
渡す言葉まで含めて、贈り物は完成する
意外と知られていないのですが、両親贈呈品の満足度を左右するのは品物のグレードよりも、渡すときに添える一言です。マイナビウエディングPRESSの親世代アンケートで「何でも嬉しい」が45%と最多だったのは、親が品物そのものを評価軸にしていないことの表れといえます。
だからこそ、品選びに時間をかけすぎて手紙が前日に間に合わない、という順序は逆です。先に伝えたい言葉を決め、その言葉が一番映える形式を選ぶ——この順番にすると、予算1万円台でも印象は変わります。子育て感謝状が人気ジャンルとして定着しているのは、まさに言葉を主役に据えた形式だからです。
注意点として、手紙の朗読と贈呈をどちらも新婦だけが担う進行は珍しくありませんが、新郎側の親には言葉が届きにくくなります。新郎からも短い一言を添える、あるいは新郎の謝辞のなかで自分の親に触れるといった構成にすると、両家に等しく気持ちが渡ります。
家族の状況で変わる、4つのケース別の選び分け
少人数・家族婚なら、演出より実用に寄せる
ゲストが20名以下の家族婚では、贈呈が独立した演出になりにくく、食事の合間に手渡す形になることもあります。この場合は「見せる」必要が薄れるため、実用型やカタログギフトの価値が相対的に上がります。富士山グラスの5,500円やリンベルのシリウス11,990円のように、価格を抑えつつ品質で語れるものが合います。
理由は、距離の近さにあります。ゲストが身内だけなら、品物の演出効果より「その後どう使われるか」のほうが長く話題になります。大人数の披露宴とは評価軸が違うと考えてください。
注意したいのは、簡素にしすぎて記念性が消えることです。実用品だけだと日常に溶けてしまうので、日付か名前が残る要素を1つ入れておくと、後から見返す手がかりになります。
親が高齢・実家が狭いなら、置かないものを選ぶ
親が70代以上、あるいは実家に飾るスペースが少ない場合は、置き場所を必要としない選択が現実的です。カタログギフト、食事券、消費できる食品などが該当します。リンベルの「食を愉しむひととき」11,990円のように、外食の体験そのものを贈る形式は、物を増やさずに時間を残せます。
背景には、親世代の生活の変化があります。将来の住み替えや片付けを考えている家庭では、大きな置物や額装品はかえって負担になります。マイナビウエディングPRESSの親世代アンケートで「旅行券・食事券など夫婦で楽しめるもの」が27%と2位に入っていたことも、この傾向と重なります。
注意点は、有効期限と利用のしやすさです。カタログギフトは注文の手続きが必要で、食事券は店舗が遠いと使われずに終わります。親の生活圏で使えるかどうかを確認してから選んでください。
離れて暮らす親・遠方から来る親への配慮
遠方から新幹線や飛行機で来る親には、荷物にならないことが最優先の条件になります。搭乗前提なら、割れものと大型の花束は避けるのが安全です。この場合は、当日は手紙と小さな品を渡し、本体は自宅へ直送する二段構えが機能します。
理由は明快で、移動距離が長いほど破損と持ち運びのリスクが上がるからです。子育て感謝状のパネルは薄手で持ち運びやすい部類ですが、ガラス製やブーケ付きのものは厚みと重さが出ます。同じジャンルでも仕様によって難易度が変わる点に注意してください。
あわせて考えたいのが、渡すタイミングです。式の翌日に親と食事をする予定があるなら、当日は花束だけにして、記念品はその席で渡すという分け方もできます。演出と贈り物を必ずしも同じ場面に固める必要はありません。
予算を抑えたいときの現実的な組み立て
予算に上限があるなら、単価の低いジャンルを2つ組み合わせるのが有効です。両家分がセットになった子育て感謝状パネル6,980円と、花束「ローズピンク」6,050円を合わせれば、贈呈シーンの見栄えと言葉の両方を確保できます。単品で高価なものを1つ選ぶより、印象の残り方は安定します。
理由は、両親贈呈の評価が「金額」ではなく「場面の完成度」で決まるからです。ファルベの人気ランキング上位が9,350円のフォトフレームや9,680円のガラス製感謝状で占められていることも、1万円未満で十分に成立するジャンルがあることを示しています。
ただし、安さだけで選ぶと後悔しやすいポイントもあります。印刷品質、フレームの質感、花の鮮度は写真に残ります。価格を下げるなら品数ではなく、装飾のグレードを落とす方向で調整してください。両家で同じ構成にすることも忘れずに。
まとめ
最初の一歩としておすすめしたいのは、商品を探すことではなく、実家のリビングを思い出すことです。壁に時計を掛ける余白があるなら三連時計、棚に余裕がないならカタログギフトや花束、言葉を主役にしたいなら子育て感謝状。置き場所が決まればジャンルは半分絞れます。そのうえで式場に持ち込みルールを1回だけ確認すれば、あとは平均12,661円という基準に沿って選ぶだけです。
両親贈呈品は、披露宴のなかで数分しか使われない品ですが、その後は何年も実家に残ります。だからこそ、当日の見栄えと、渡した後の暮らしの両方から考える価値があります。この記事の価格はすべて各社公式サイトで確認した現行の税込価格です。
※価格・仕様・納期は変更されることがあります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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